今月6日、丸の内ピカデリー爆音映画祭で、あまりに音質がよくて台詞も鮮明だったせいか、すずさんの吐露する言葉が妙に...いつも以上に心に突き刺さりました。
「うちはずっとこういう日を待ちよった気がする...」
劇中、一番ハラハラドキドキしてしまうシーンですが(^_^;、今回はそれだけではなく、そのまま見続けながら「ん?...この『待つ』のニュアンス...何かの映画で同じものを感じた気がする..」と、ちょっと考え込んでしまった。
この時は答えが見いだせず忘れたままだったのですが、最近ハッと思い浮かびました。
小津安二郎の「東京物語」終盤、舅・笠智衆と、その戦死した次男の嫁・原節子が別れ際に会話するシーン。
「どこか心の隅で、何かを待っているんです」
その前に口走ってしまう「わたくし狡いんです」と共に同作で物議を醸すシーンなのですが、この台詞の「待つ」と同じニュアンスだなぁ...と。
両者ともに「自力ではどうにもならない状況から引きずり出してくれる何か(誰か)」なんですよね。
すずさんも、原節子も、日常を真面目に淡々として生きている。決して自我をみせることなく隠し、無意識に「良い人」を演じている。
不意を突かれ隠していたものを開けられてしまった時、あぁ..自分はこれを「待っていたのか」と気づかされるんじゃないかと。
そして気づいた直後、両者とも憤激してしまうのです(その対象は別々ですが)。
誰にでも心の奥底に潜んでいる「闇」とか「魔」とも言われているもの...「あなたはどうなのか?」と...鑑賞しているこちらにも鋭利をもって問いかけてくるシーンです。
「うちはずっとこういう日を待ちよった気がする...」
劇中、一番ハラハラドキドキしてしまうシーンですが(^_^;、今回はそれだけではなく、そのまま見続けながら「ん?...この『待つ』のニュアンス...何かの映画で同じものを感じた気がする..」と、ちょっと考え込んでしまった。
この時は答えが見いだせず忘れたままだったのですが、最近ハッと思い浮かびました。
小津安二郎の「東京物語」終盤、舅・笠智衆と、その戦死した次男の嫁・原節子が別れ際に会話するシーン。
「どこか心の隅で、何かを待っているんです」
その前に口走ってしまう「わたくし狡いんです」と共に同作で物議を醸すシーンなのですが、この台詞の「待つ」と同じニュアンスだなぁ...と。
両者ともに「自力ではどうにもならない状況から引きずり出してくれる何か(誰か)」なんですよね。
すずさんも、原節子も、日常を真面目に淡々として生きている。決して自我をみせることなく隠し、無意識に「良い人」を演じている。
不意を突かれ隠していたものを開けられてしまった時、あぁ..自分はこれを「待っていたのか」と気づかされるんじゃないかと。
そして気づいた直後、両者とも憤激してしまうのです(その対象は別々ですが)。
誰にでも心の奥底に潜んでいる「闇」とか「魔」とも言われているもの...「あなたはどうなのか?」と...鑑賞しているこちらにも鋭利をもって問いかけてくるシーンです。