どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

小津4K、鑑賞その1

2018年06月23日 21時30分00秒 | 映画
やはりスクリーンで鑑賞するとデジタルリマスターの威力がビンビンに伝わってきますねぇ...。

本日一本目は「東京物語」



そしてゲストトークは香川京子さん。

お話しの内容は約2年半前の原節子さん追悼上映の時と同じ感じがしましたけど、45分くらいゆったりとしたペースで、マッタリ一緒に過ごせた感があって良かったです(^_^)

個人的白眉は香川さんの発する「ありがとう」...キレイなイントネーションの広島弁でした(*^o^*)

続けて2本目は「晩春」...これはもう何度も観てますが(4K版としては一番観てるかも...)、本当に自然描写がシャッキリしていて、樹木に緑を感じさせてくれるんですよね。

今回なんだか妙に印象に残ったのは、能楽堂のシーン。

本作で紀子を演ずる原節子さんが父・笠智衆さんと、再婚するかもしれない女性・三宅邦子さんの間に挟まれるような心理状態に陥って、紀子の表情変化が凄まじい場面。

今までは紀子ばかりに注目しがちだったんですが、今日は父と女性の様子がただならぬ状態になっているのが印象的でした。


二人とも興奮して非常に息が荒く、静かにではあるけど全身で蠢いている...笠さんなんか汗だくっぽくなって顔面テッカテカ(^_^;

これはもう紀子の「不潔よ!」妄想が爆発して、間接的に濡れ場を表現しているんだなと...。なんとなく匂わせている感はあったけど、「なんとなく」どころではなくハッキリと艶めかしい動きをしていた...今回はそれがとても強くダイレクトに見えましたねぇ...さすか4Kの威力というところか(笑)

また一つ、小津演出の醍醐味、真髄をみた思いがしました。

いよいよ3本目は個人的に4K版初鑑賞となる「お茶漬けの味」です。

まずは、凄かった〜!の一言ですね(*^o^*)

マダムを演ずる木暮実千代さんのツンデレ伴う表情変化が鮮明で、夫への怒りが爆発した瞬間の歪みに咥えて、顔面全体がゴツゴツと肌荒れを起こしたような酷い状態になって見えました。終盤、気持ちが落ち着くと同時に肌もキレイな状態に戻るんですよ...デジタルリマスターでディテールを浮き立たせた効果であり、従来の濁り混じりのフィルムでは見えなかったものだと思います。

そんな凄まじいツンデレを演じた木暮さんを観て、こりゃ今の女優なら沢尻エリカさんだなぁと(^_^;

反面、津島恵子さんや、女中・ふみちゃんの若々しくピチピチした可愛らしさが出ていて素晴らしかったです。特に私はふみちゃんファンなので、彼女が出てくるシーンがとても愛おしく感じましたねぇ(*^o^*)

いや〜あと3作ある4K版も非常に楽しみになってきました!

あとね、やっぱり映画館のスクリーンで観ると小津さん特有のローアングルが効いてくるんですね。客席よりちょっと高いステージで俳優たちが演じているように感じ取れる効果があるんですね(^_^)

そうそう、会場の角川シネマ新宿ロビーの雰囲気は小津安二郎の世界一色で素晴らしい空間になってましたよ(*´д`*)

ハコの中は落ち着いて画面に集中できる感じに...。

近隣のせいなのか、テアトル新宿に似た雰囲気でしたね。

明日は「東京暮色」、これも今回4K初お披露目の作品。

しかも小津さんのダークサイドバリバリの作品です(^_^;

ゲストトークは同作でヒロインを演じた有馬稲子さん。有馬さんのお話し聞くのは初めてなので、期待が高まります!

6月22日(金)のつぶやき

2018年06月23日 06時06分45秒 | 事件・事故・災害