どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

すずさんのおうち展記念トークイベントへ

2018年12月26日 21時25分00秒 | イベント・ライブ
午前中、昭和のくらし博物館を見学したあと下丸子駅前にある大田区民プラザで開催記念イベントに参加です(^_^)

登壇者が片渕須直さん、昭和のくらし博物館・館長である小泉和子さん、そしてなんとまさかの(失礼っ(^_^;)浦谷千恵さん!

浦谷さんが登壇されるなんて恐らく初のことでしょうし、こんな貴重な機会は見逃すことはできません(*^o^*)

やはり発言は少なめでしたが、博物館とのご縁をまじえて楽しいお話しを聴くことができました。

私も小泉さんについては昭和生活史関連の書籍をいくつか見て知っておりましたので、今回のトークはホント楽しみで、諸々天こ盛り盛りなイベントなのです(^_^)

写真はズバリ博物館の開設当時に出版されたもので、多数の写真と小泉さんご自身のご家族の思い出もこめたアルバムのような素敵な本です。新装版として再版されているようですので、興味ある方はご一読をオススメします。

片渕さん浦谷さんらもそれぞれ博物館との繋がりは多々あったようで、特に浦谷さんは「くらしの学校」に通い、修了証もあるのだとか。

何年も前から訪れる方であることは知っていたが、まさか映画監督をされていることは後から知って大変驚いたと(^_^;

その上、不思議な縁というか...小泉さんのお母様のお名前が スズさん、そしてその妹である叔母が リンさんであるということに大変驚きました!どちらも決して珍しい名前では無かったと思われるものの、その組み合わせに大きな繋がりを感じざるを得ませんね...。

博物館の理念「家を残し、暮らしを伝えて、思想を遺す」ことであると。

家は旧東京市役所で設計建築関係に従事していたお父様ご自身による設計で、住宅金融公庫の基準(この当時に家屋各部の規定が明確になったそうです)に沿って建てられたもの。最低一間を下宿として間貸しする条件で融資を受けられたそうなんですね。その関係者でもあったお父様が自らの家をモデルケースとして昭和26年に建てられたみたいです。

実際に外観と内部に上がると、想像以上にその想いが強く響いてきて「暮らしを伝える」意義を感じ取ることができます。板壁、天井、床、家具調度品が生き物のように語りかけてきて、何とも言えない気持ちにさせられる...。

小泉さん一家は平成が始まるころまで住まわれていたそうなんですが、ご両親が亡くなられ、家の処分をどうするか判断を迫られた折、なんとかこのまま残せないものか、江戸東京博物館などに相談を持ちかけたそうですが、興味をもたれなかったと。

こうなったら自ら保存のため動かれた...普通は断念してしまうところですが、強い意志をお持ちだったのですね...凄いことだと思います。今でこそ昭和レトロ云々でその価値が認められるようになりましたが、90年代においてはそんな空気はほとんどなかったと思います。

家屋がハードウェアであれば、ソフトウェアは暮らしや生活の保存。家電の普及と発達で便利になれば、それまで手作業で行われていた家事仕事の技術は忘れ去られていきます。それをも残そうと「くらしの学校」として活動もされています。

忘れられていくこと...それと対比して壊すものとして「戦争」があるというお話しも印象的でした。災害も壊すものだが、救援が期待できる。でも戦争にはそれすらもないということ。

儚い事物ともいえる「暮らし」ですが、大変な重労働でも全部愛おしいものと感じる。

日本人は暮らしへの思想が弱い...それを考える場所にしたいと。

正直聴いていて耳も痛いとも思いましたが(^_^;、本当に強い意志に支えられている理念なのだなぁと、どこか反省させられる気持ちでした。

動画による家事仕事の記録映像も拝見。小泉さんのお母様スズさんをモデルとして、盥と洗濯板を使っての選択、くけ台を用いての針仕事、そして子供に着物を着せる...私自身幼少期のころ、祖母などがやっていたような微かな記憶も重なって見えて、失ってしまったものの尊さとか儚さ...そして切なく愛おしいものとして見入ってしまいました。

でも...過去のことにしてしまい、昭和レトロだノスタルジーだと楽しみの対象にしてしまっている自分って何なんだろうと複雑な感情でもあります...。

実際に行動し、遺産として活動されている小泉さんには頭が下がる思いですかないです。

そんな小泉さんですが、「アニメとか好む世代ではないので...」と前置きしながらも、映画「この世界の片隅に」鋭い考察を披露されてました。

職業柄(歴史考証などもされているのだそう)その作品でちゃんと時代が正しく描かれているのか気になってしまうそうなのですが、生活描写全般において違和感が無いことに感心したとのこと(^_^)

その上で、すずさん・周作さんの無欲な愛情の示し方が印象に残られたそうです。

ご自身のお母様スズさんも日々の生活において家族に愛情をそそぐことに専念し、世界がどうなっているのか、戦争の状況についても知ろうとせず、その視点もなかった...それではいけないのだと、これからの私たちは無知ではいけないのだとこの作品は語っているのではないかと。

すずさんとの対比としての径子さんはモガであり、自立し自分の行く道を自分で決めた人。だからこそ、最後に すずさんに選択肢を与える役割にとても立体感を感じることができたと。

作品に対しては、こうの史代さんの原作もキッチリ読み込んでおられていらっしゃるようで、リンさんの事にも言及されてましたが、片渕さんから「まだそこは今の映画で描かれていないので...(^_^;」とストップがかかるほど熱く語っていらっしゃいました。

私自身もここまで作品の真髄をつかれているとは...と驚くばかりでした...。

最後になりますが、同席されていた浦谷さん、こうの史代さんをして「すずさんのような人」と言われたことが本当にわかった気がしました(^_^)

人前でお話されるのが本当に苦手なようで、トーク終了とともにササ〜ッと会場から出て行ってしまわれましたが(^_^;、吶々とか細い口調ながらも食事の動作の正しい表現の難しさ、継ぎ当てや風呂敷の包み方を「くらしの学校」を通じて教えてもらったことは直接作品に描かれてはいないが反映されている...針仕事の座り方一つにおいても手慣れている人の姿勢は(考えているものとは)全く違うなど、作画における栄養として染み出ている...要約的ではありますが、作品には目に見えないところを含めて活かされているんだなぁと実感するお話しでした。

アッと言う間に1時間半の枠も終了...時間足りない、もっともっとお聞きしていたかったなと。

でも本当に有意義で楽しいひとときを過ごせました...参加できてよかった(*´д`*)

片渕さんも仰っていましたが、小泉さんのレンジは極めて広く深く、過去の作品において文献を探っていくと小泉さんの著作に出会ってしまう...なんだか後を追っているような方だとも。いろんなお話しもされていましたが、とてもここで紹介しきれないくらいの研究対象とその情報量をいただいたと思います。

トーク終了後、もう一つのお楽しみ!片渕さんのサイン会です(^_^)

ねんどろいど・すずさんへの極小サインに続き、先日ゲットした「PUTITTOこの世界の片隅に」のスケッチすずさんにまた無理言ってお願いしてしまいました(*^o^*)

白いスケッチブックにかな〜っと思っていたら、なるほど!前掛けにでしたね(^_^)

今回も楽しいお話し、ありがとうございました!



12月25日(火)のつぶやき

2018年12月26日 06時02分36秒 | 日記

クリスマスってことで。

2018年12月25日 20時05分00秒 | 日記
今年のケーキ。

いつも利用している近所のホームメイドのお店です。

美味しくて二人で一気に食べてしまいましたわ(^_^;

カミサンへの労いの気持ちもこめて、毎年バラを。

彼女と迎える20回目の日を意味してます。大きめのバラ1本を10としてね...せこくて申し訳ない><

相も変わらず、ご心配ご迷惑をおかけしてばかりですが、来年もよろしく〜ってことでm(_ _)m



12月24日(月)のつぶやき

2018年12月25日 06時11分13秒 | 日記

昭和のくらし博物館へ

2018年12月24日 18時00分00秒 | イベント・ライブ
下丸子駅から徒歩10分くらい...

閑静な住宅地のただ中に...まるでその一帯だけが時空が違う雰囲気が漂っていました。

門の横にあるゴミ箱とか、一々反応してしまう(^_^;



個人的に追い求めてきた「付け木」も(*^o^*)

こういう物だったのかと実感です。

中庭には「この世界の片隅に」にちなむものも...。

もちろん家屋内に上がってほぼ全ての部屋を見て回ることもできます。

二階の部屋に上がり、風でガタガタおとを立てるガラス窓の音...そうサッシが当たり前になった現代では聴けなくなった甲高く響くガラスが軋む音です...その音を聴いただけで、あぁ...今日ここに来た甲斐があったなぁと、しばし浸っていました(´д`)

内部に上がり込んだ瞬間、天井が低く、間取りも小さく感じました。各部屋に佇む毎に違和感が...そう、この造りは立って見るのではなく、畳に座って眺めるのが適されているんですよね。椅子やテーブルが当たり前になった現代、こういう感覚もすっかり変わっちゃったんだなぁと考えさせられました。

矛盾しますが、写真や言葉でいくら紹介しても、ここの素晴らしさは伝えきれないと思います。

午後から下丸子駅前「太田プラザ」でトークショーをされた片渕須直さんも訪れてました(^_^)

訪れていたお客さんに挨拶する程度の筈が、色々と解説してまわる状態に..この場に一緒にいられたことも嬉しかったなぁ(*^m^*)

ピーカンというほどでもなく、雲の状態も程よくて、昭和の雰囲気を強く醸し出していました…縄に干された洗濯物なんかも展示物で正に小津映画の世界(*^o^*)

記念グッズや、博物館を紹介する冊子もドッサリ買い込んでしもうた(^_^;

いずれ近いうちにまた訪れたい場所です(^_^)

そして同日午後に行われたトークショーへと続きます(^_^)

今日はこれから...。

2018年12月24日 08時55分01秒 | イベント・ライブ
今年最後の連休、それにも関わらず早起きして電車に乗っております(^_^;

目指すは下丸子。

昭和のくらし博物館主催によるイベント参加のために(^ ^)

寒いけど、まずは晴れて良かった〜。予定してた電車が一部停まっちゃってアワ食ったけど(^_^;

事前にわかったので別ルートで向かっております。

さてさて、どんなイベントなのか楽しみです(^_^)



東京タワー、還暦に

2018年12月23日 20時33分33秒 | 話題
そっか...私より4歳上ってことなんだな(^_^;

誕生当時は突出していた高さを誇っていたけど、今では周りもニョキニョキ伸びて埋もれがちです...。

昭和35年の映画「秋日和」の冒頭に当時の東京タワーが収まっていますね(^_^)


新しいものもオシャレに取り入れる小津さんっぽさを感じさせるカット。

赤と白の配色、今とちょっと違うんですよね。映画に映る昔の配色に馴染みを感じます(^_^)

東京タワーには個人的な思い入れもありまして...40年ほど前になりますが、麓のビルに親が売店を出していたことがあったんです。

その店を手伝った事もありまして、記事にもあるように地方の修学旅行が大波のように押し寄せて、土産物を買い求める学生が店のアチコチから手を伸ばし、必死に捌いていたのを昨日のことのように思い出されます...ありゃホントに凄かった(^_^;

雷も落ちやすく、ドドーンと腹に響く超低音振動も幾度となく味わいましたね(^_^)

ほどなく店も閉じてしまい、あれから行くことはありませんが、とても懐かしい場所です。



Perfume、"Reframe"8Kを見て

2018年12月22日 20時38分00秒 | Perfume
8Kのソースはまだまだ少ないようで、繰り返し放送状態なので助かる(^_^)

で、今日の15時から「Reframe」やるっていうので、鑑賞するにはタイミングもよく、SHARP AQUOS 80インチを展示している近隣のコジマ電気へ。

「2001年宇宙の旅」8Kの時は放送開始の初日という事もあって60インチでしか鑑賞できなかったのですが、今回はバッチリです(^_^)

3階の売り場には15時を5分ほど経過したところで到着...「DISPLAY」が始まったあたり。

値札見て、目が飛び出しそうになりました Σ(゜ロ゜)...まだまだ庶民に手が届くものではございませんな...(´д`)

溜め息まじりながらも、徐々に心を落ち着けて、作品を鑑賞...。

ライティングが虹色のように激しく変化するのが特徴で、映像ソースとしてはかなり厳しいと思われるのですが、色のりは鮮明で緻密...確かに2Kハイビジョンでは味わえないものを感じます。

ディテールの描写もよく、24機のドローンが展開する「Butterfly」は立体感があって素晴らしかったです(^_^)

あと「無限未来」の複雑なレーザー光...その繊細さは肉眼で見た感じにかなり近づいているなとも...。

メンバー3人の衣装と顔色、肌の感じの美しさは、終演後のスピーチが一番よかったかも(^_^;

衣装の素材ディールが程よく立体的だし、肌の微妙な血色の具合は2Kハイビジョンでは潰れ気味になってしまうので、次元の違う描写を感じました。



全体的に非常に満足感の高い美しい映像作品にはなっているんですが、その反面...各カメラの特性の違いとかピントの甘さなどが顕著に出てしまい、ブレや滲みが目についてしまうデメリットも。

これは収録機材がまだまだバラついていて、性能面でもまだまだこれからってことなのかもしれない...まぁ圧縮率の問題もあるでしょうし、複合的なものでもあるんでしょう。

それと個人的な好みになってしまうけど、液晶画面特有の発光具合や反応速度からくる特有の滲み感があまり好きではなく、カチッとした映像描写が期待される有機ELテレビ‎の出現で見てみたいというのが本音です。

帰ってから手持ちの2Kハイビジョンテレビと、BSプレミアム放送を録画した「Reframe」を見直してみたんですが...残念な見え方がほとんどしませんでした。プラズマ方式のカッチリ感と、自分好みにチューニングした映像設定で見劣りをあまり感じないんですよね。

まぁ8Kと2Kを並べてみることができれば、その違いは顕著になるんでしょうけど、別々に見る分には全く損傷ない感じ。

つくづく8Kってのは(少なくても現時点では)オーバースペックだよなぁ...と思うばかりです(^_^;