~ 無事に開花した天人草(てんにんそう) ~
昨年、小さな株を買って大事にしていたのですが、
この夏、瑞々しく育っていた葉をバッタに食い荒らされてしまい、
暑さのせいで蕾も元気がなく、枯れるのでは?と
心配しましたが、よれよれながらも無事に咲いてくれました。
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天人草は日本固有種で、
北海道から九州まで分布するシソ科の多年草
山の木陰の湿った場所を好んで咲いているようです。
名前の由来は諸説あり
① ーー下の方から開花して行く様子を天上に昇る天人に例えた
② ーーーーーーーーーーーーーー花の姿を天女の舞いに例えた
③ 葉が虫に食い荒らされた様子を、天人の羽衣(破衣)に例えた
④ ーー花の終わりが無残なことから「天人の五衰」に結び付けた
☆ 天人の五衰 ー 天界に住む天人の命が尽きようとする時に
現れる五つの衰えの相
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こうして名前の由来を、我が家の天人草に当てはめて見ると
①、②は夢があって素敵ですからそのまま受け止めるとして、
実際に確認したことは③と④です。
まさにその通りで、開花前に葉はボロボロにされ「破衣」そのもの。
そして、花が終わる時には、淡黄色から茶色に変わり干乾びてしまい、
「天人の五衰」と言われて不思議はなかったのです。
こんなことを考えてみると、
名前の由来は、明確にどれか分からないようですが、
①~④は、天人が天上に昇り、亡くなるまでの一生に思えます。
咲き初めの頃は、天上に昇る様子を
中頃は、舞っている様子を
最後は、朽ちていく侘しさを
誰が名付けたのか・・・
こんな地味な野草に、
なんと含蓄のある素晴らしい名前を贈ったことでしょう。
来年は「破衣」にならぬよう、
美しく育てたいと思っています。