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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

タカサブロウ・生薬「旱蓮草」肝腎を補う

2020-08-21 | 薬草・生薬

タカサブロウの花。大概、あぜ道ではなくて田んぼの中の縁にある

夏至のころに収穫する全草が生薬「旱蓮草(かんれんそう)」

花は8~9月に咲く。

拡大してみると、先日のヒマワリを思い出す。キク科。

タカサブロウと、花の時期が少し遅い(9~10月)アメリカタカサブロウがあるのですが、いまだにいくら目を凝らしてもその違いがよくわかりません。

旱蓮草が配合されている二至丸は、肝腎を補うので女性にはうれしい処方で、婦人科疾患の中医学書物のなかには頻繁に登場する。ですが日本の漢方処方にはないものなので、サプリメントとして商品名「二至丹」が販売されています。特に更年期頃の女性には良い処方だと思います

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ハマゴウ・蔓荊子(まんけいし)、ついでにネコノシタとチョウゲンボウ

2020-08-17 | 薬草・生薬

暑さを逃れようと海辺へ出かけたらちょうどハマゴウ(浜香)が良く咲いていた

青色がなんとも涼しげ。

秋になるとまあるい実がつく。これが生薬「蔓荊子」

辛凉解表で風熱による頭痛、めまい、目の充血などに用いる

滋腎明目湯、清上けん痛湯、洗肝明目湯などに配合されている

浜香の名の通り、葉はユーカリに似た香りがあると書かれていた、嗅いでおけばよかったなあ。

ついでに浜辺に咲くネコノシタ 葉っぱが猫の舌に似てるかな

仲良さそうに飛んできたのは、猛禽のチョウゲンボウ(長元坊)

魚は採らないはずだけど、虫か小鳥が見えたのかな?

海風が涼しいです

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クサギ(臭木)・生薬名は「臭悟桐」

2020-08-07 | 薬草・生薬

クサギの花が咲き始めました。オシベやメシベがしゅーっと伸びてステキです。

その名の通り、いい香りとは言い難い微妙な香りを放っています(嫌いじゃないけど)

生薬名も「臭悟桐」(しゅうごとう)(葉や幼枝を用いる)

袪風湿薬で風湿の痛みや皮膚のかゆみに用いられる。(活楽宝に配合されています)

その匂いに引き寄せられたのは、ダイミョウセセリ(大名挵)関東型

臭いといえば、こちらも咲き始めましたヘクソカズラ(屁糞葛)。

中国名も鶏屎藤(けいしとう)とざんねんな名前・・・民間薬としての使い方もあるらしいです。

ところで、この花の奥にはおしべとめしべがあるんでしょうか。そう思っても触りたくないのよ。

おいしそうな形と色なんだけど。

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メハジキ:益母草(やくもそう)母に役立つ

2020-07-27 | 薬草・生薬

地元の植物園に初めて行ってみたら(コロナのおかげで地元をうろうろしている)メハジキが咲いていた。灯台下暗しです。ほかにも生薬がいくつかあったのでまた行ってみようと思います。

この全草を生薬名「益母草(やくもそう)」。母に役立つ草という名前

理血薬で活血去瘀血、利水退腫の作用がり、出産後や流産後の子宮内の掃除や乳腺炎に効果的。

処方としては「芎帰調血飲第一位加減」に配合されており、生理痛や生理不順、生理前の不快症状にも用いられる

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ウツボグサ(夏枯草)と夏の養生

2020-06-22 | 薬草・生薬

夏至の日に日食が起きるという、特別な感じがした昨日。偶然、夏枯草(なつかれぐさ、うつぼぐさ)を見つけました。

夏至初候は「及東枯る(なつかれくさかれる)」

及東(ダイトウ)は夏枯草のことだそう。花が咲き終わると種をつけた穂が枯れたようになる

この花穂が、生薬「夏枯草(カゴソウ)」辛苦寒 清泄肝火、清熱散結

苦味で清熱し辛味で散結する

清熱明目薬に分類され、肝火上昇の頭痛、目の痛み、めまいやものもらいなどに。さらには肝鬱化火によるできもの、例えば乳腺腫、甲状腺腫などに利用することもある

夏の養生は、

朝は思いっきり早起きして元気に暮らし、夜は少し夜更かししてもよい。
夜更かしと言っても、昔は日が暮れたら寝ていたのだから、やっぱり早寝早起きということになるかな。

ただでさえ睡眠時間が減るのに夜にものを食べると、消化に手間取り体内の老廃物の掃除がはかどらず、朝に疲労が残ります。したがって夜にものを食べないことです。夕食とは夕方に食することをいい、夜食ではない。

早くもアキノタムラソウ(秋の田村草)が咲き始めていた。季節はどんどん進んでいる。

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クララという和名の苦参(くじん)・爽肌精に配合されている

2020-06-18 | 薬草・生薬

近所の小学校の土手から伸び風に揺れながら狭い歩道を邪魔しているこれ。もしかして生薬のクララ(苦参)かなあと思いながらも通り過ぎていた。

だって、ここに一株あるきりだし、他に生えているのはいわゆる雑草だしなあ。それにクララは写真でしか見たことないし。

蕾はこんな感じ。この花の形、ググってみるとやっぱりクララだなあ。

さて、てっきりクララは英名かと思ったら、

この根がクラクラするほど苦いので眩草(くららぐさ)という名前があり、結局クララという和名になったらしい

本当だろうか(笑)

というわけで、クララの根の生薬名「苦参(くじん)」は覚えやすい。

外用としての働きは、かゆみ止め(清熱燥湿、殺虫止痒)

漢方スキンケアシリーズの爽肌精にも配合されている

爽肌精ローション《陽》

爽肌精クリーム《陽》

薬用爽肌精(M)ローション

薬用爽肌精(M)クリーム

爽肌精オリエンタルハーブボディソープ

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これも生薬・トウネズミモチ(滋腎養肝)

2020-06-15 | 薬草・生薬

トウネズミモチはどうなってるかなとみてみたら、小さな蕾ができていた

熟したこの実は生薬名を「女貞子(ジョテイシ)」。熟すのは冬至のころ。

女貞子を酒につけて飲むと髪が黒くなるとか。

作用は、滋腎養肝、烏髪明目、清虚熱

つまり肝腎を元気にして 髪を黒黒とさせ、目はパッチリ見えるようになり、ほてりやのぼせといった虚熱も穏やかにおさまる

老化が気になる年代にはうれしい作用です

商品名「二至丹」(中医学の処方名は二至丸)は、女貞子と夏至に収穫するカンレンソウの二味からなるが、女性の更年期などによく応用される

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これも生薬:ハマボウフウ(沙参)、ハマゴウ(蔓荊子)

2020-06-08 | 薬草・生薬

少し遠出をして内房の浜辺へ行ってみた。向かいには三浦半島が見える。

ハマボウフウ(浜防風)この根は生薬「沙参(シャジン)」
生薬「防風」の代用とされることもあるようだが、沙参の作用は、清肺熱・養肺陰、養胃生津の滋陰剤
若葉は刺身のつまに使われることもある

晩夏になると青紫の花をつけるハマゴウが群生していた。
この種を生薬「蔓荊子(マンケイシ)」
作用は、疏散風熱・清頭目・止痛、袪風除湿
清上けん痛湯などに配合されている

昔の中国の賢人は、さまざまな植物などを試したのだが、こうして浜辺の植物もくまなく調査したのだと頭が下がる

ユリのようだが名前わからず。どんな花が咲くのだろう

ほかにハマヒルガオやノイバラも咲いていた

この辺りは、大きな岩盤がそそり立っており、そんな岩にはりついてシモツケも咲いている

ずーっとはるか遠くまで続く浜辺に人は私を含めて4人。打ち寄せる波の音を聞いているだけで、穏やかになった。

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これも生薬・チガヤ(茅根)

2020-06-06 | 薬草・生薬

葦と一緒に生えていることが多い茅(チガヤ)

田んぼの畦や新興住宅地の空き地などそこここに生える。道路の中央分離帯に繁茂しているのも見かける

風が吹くと茅花(ツバナ)がふわふわ飛ぶ

6月の行事「茅の輪くぐり」は、これを編み込んだ輪をくぐって罪や穢れを落とすのだそう

さて、チガヤの根茎は生薬「茅根(ボウコン)」清熱涼血・止血、清熱生津、利水消腫作用をもつ

一般的な漢方薬での配合はないが、茅根の作用は、こもった熱を取り去り、炎症を改善して体がスッキリしそうですね

ちなみに葦の根茎は「芦根(ロコン)」清熱生津、清肺瀉熱、清胃止嘔、宣毒透疹などの作用をもつそうだ

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ナルコユリ(黄精)、アマドコロ(玉竹)、桑の実とホオジロ幼鳥

2020-06-01 | 薬草・生薬

ナルコユリ(鳴子百合)が咲き始めました

生薬「黄精」はカギクルマバナルコユリなどの根茎を黄酒で蒸したものとあり、このナルコユリも代用として使われるらしい。
補脾気、益脾陰 潤肺止咳、補腎益精、栄養ドリンクなどに配合されていることもある

長い葉が平らに並んで、花は3~6つずつぶら下がる

これは約1か月前に見つけたアマドコロ。ナルコユリに比べて株は立っており、葉は丸みがある、蕾は1~2つずつついている

アマドコロの根茎を乾燥または蒸乾したものが生薬「玉竹」
養陰潤燥 生津止渇作用があり、養胃湯などに配合される

ピンボケですが、桑の枝に止まっているのは、ホオジロの幼鳥、声が幼い

桑は葉(桑葉)も実(桑椹)も枝(桑枝)も根(桑白皮)も生薬。この頃は桑の実を食べて口を赤くしている小鳥を見かけます

これは大人のホオジロ(雄)本当は頬は黒い。

メジロの幼鳥、食べたな?口が赤く汚れてる

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カラスビシャク(生薬名ハンゲ(半夏))、サラサウツギ

2020-05-30 | 薬草・生薬

田植えが落ち着くと畦にまた、さまざまな草が伸びてくる

カラスビシャク、この塊茎の外皮を取り去ったものが生薬の「半夏(ハンゲ)」そのままだと有毒なので水に浸したりなど炮製する

体を温め気の流れを調える働きがあり、胃部不快感、喉のつかえ、咳などによく用いられます

サラサウツギ、花の外側がピン色でオシベが長い

来局のお客様が「ホトトギス鳴いてたよー、歌の通りにうの花が咲いたら来たね」と知らせてくださる

やっぱりマスクしてでも、こうして今日のこの瞬間に会って同じ空気を吸いながら話をするほうが、うれしいなあ

ところで花に止まっていた蛾(ピンボケだけど)名前わからず

この蛾は、ユウマダラエダシャク 鳥の糞に擬態しているそうで、確かに遠目で見るとそう見える、見事です。

蛾を検索していたら、ページトップ写真のずっと蝶だと思っていたものが見つかりました、トラガ(虎蛾)だそうです。よかった。


身近な生薬・ウコギ、ドクダミ、ユキノシタ

2020-05-25 | 薬草・生薬

このごろ散歩道にはびこっていて、何だろうと思いながらも調べもせず何年も通り過ぎたこの木。

つる性のようにしなやかな枝の低木で、地面からどんどん新しい株が伸びてくる。枝には棘がある

調べてみたらウコギ。

この根皮は生薬名「五加皮」、実は「五加果」

袪風湿、補肝腎・強筋骨、利水消腫

生薬名なら知っていたが、こんな身近に繁茂していたとは。我ながら情けない。

ウコギの若葉は山菜としても親しまれているそうだ

そもそもウコギ科の生薬は、元気を補う働きを持つものが多く、オタネニンジン、エゾウコギ、西洋人参などもウコギ科だ

ドクダミも収穫時を迎えた

生薬名を「魚せい草・十薬」など

清熱解毒・利水通淋

ユキノシタの葉は傷ややけどに葉の汁をつけたりしたが、日本の民間薬としていろいろな使い方があるらしい

これはマメグンバイナズナだと思うが、

生薬「ていれきし」はヒメグンバイナズナまたはクジラグサの種子で、平喘作用があるそうだ

どこに行ったら会えるだろう、これもまた、すぐそばにあって素通りしてるんじゃなかろうか。

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スイカズラ・金銀花・忍冬:清熱解毒

2020-05-19 | 薬草・生薬

スイカズラの花がたくさん咲いている。この花のお尻には蜜があって吸うとちょっぴり甘い。

なので名前は「吸い葛」

蕾を干したものは生薬名を金銀花とか忍冬花という

花の咲き始めは白で受粉すると黄色くなる、そして葉は冬には裏側に丸めて小さくなって寒さを耐える

どちらも愛おしいい名前

効能は清熱解毒。炎症を抑え殺菌消毒作用を持つ。

良い香りで肺系風熱を宣散し、心胃の熱毒を解し、散熱解毒の良薬

これを配合した漢方薬には、銀翹散、五味消毒飲などがある

他にも清熱解毒薬には、レンギョウ、タンポポ、スミレ、ノギク、ドクダミ、スベリヒユ、フタバムグラ、ツユクサ、コガネバナなどなど案外身近な植物がある

こんな自然のものから殺菌殺ウイルス対策ができないものかと思う

ちなみに殺菌消毒液の「ジネンジサイ」には金銀花エキスを配合している

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ホウノキ・生薬「厚朴(こうぼく)」香りで体を巡らす

2020-05-11 | 薬草・生薬

ホウノキ(モクレン科)の花が開きました

少々盛りを過ぎている花ですが不思議な形です

この大きな葉は朴葉(ほうば)。

朴葉味噌、朴葉焼きなどで使われ、ホウノキの良い香りを料理に移しておいしくなる

樹皮は生薬「厚朴」で、行気薬つまり気の流れを滑らかにする働きがある

行気化湿、下気除満、燥湿化痰・下気降逆

食後のつかえ、胸や腹の張り、便秘、嘔吐、咳などに用いられる

自然の香りは体を動かしてくれる

 

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ミツバアケビ イヌシデのシデは紙垂

2020-04-01 | 薬草・生薬

ミツバアケビに花がついていた。

雄花にカビがついていると思ったのは、雄花の花粉だった

アケビの名の由来は、開け実。実が縦に割れる姿を現す。

アケビの茎は生薬「木通」。降火利水、宣通血脈の作用をもつ。

竜胆瀉肝湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などに配合される。

木通の名の由来は、網細の孔が茎の中にあり上から下まで通じているからだとか。

この頃はイヌシデの雄花が道にたくさん落ちて歩きづらい。

家にこもった先日の日曜日に読みふけった小説の中に紙垂(しで)という単語がでてきて思い当たった。しめ縄などに垂れる白い紙を紙垂(しで)という。

イヌシデの名前の由来を知ったら、歩きづらいと思っていた雄花がなんだかありがたいもののように見えてきた