春になったら苺を摘みに
梨木さんは実際イギリスに住んでいたことがあるそうだ。
その経験が、彼女の原点になっているということがわかる作品。
よその国がすぐ鼻の先にある、そして歴史的にも多くの国と交わってきた、
そんな人々は、日本人とかなり発想が異なる。
「分かり合えない、っていうのは案外大事なことかもしれない」
分かり合えなくても、それをまるごと受け入れてしまおうとする
イギリスの下宿の女主人。
ものさしがまったく異なる人種がたくさんいる。それが世界だ。
無理に理解することなんてできない、だけど分かり合えないから
とりあえず受け入れちゃう。
すごい。
こんな人がたくさんいたら、きっと戦争は起きないだろうと思う。
日本の中だけに暮らしていると異文化に触れることがないので
知らない、わからない
だから、
ただおびえる、または徹底的に排除する
となるに違いない。
いまはやりの「いじめ」もそんな視野の狭さから起こるのかもしれない。
西の魔女が死んだ
昨日、NHKテレビで観た「ターシャからの贈りもの」。
イギリスの山の中でガーデニングに勤しみ、絵本を描きつづける
彼女は、まさにこの物語のにその魔女そのまま。
自然に抱かれ、その中で生活することによって
すべてを受け入れる心の余裕がはぐくまれる。
エンジェル エンジェル エンジェル
ばあちゃんの夜のおしっこの面倒をみるという約束を条件に
コウコは念願の熱帯魚を飼うことに。
だけどエンジェルフィッシュとネオンテトラを一緒の水槽で飼ったら
じわじわと、天使の名にそぐわない恐ろしい結末に・・・
認知症気味の祖母は、時々昔にタイムスリップしているらしく
孫と同年代のように話を交わす。でも「コウちゃん」と祖母が
呼ぶ相手は実は、孫のコウコではなくて・・・
3っつの物語が交差しながら、読み進むうちにどんどん集結してくる
『天使さまは、悪かったねって謝ってくれるかしら・・・』
ちょっとつらい人生を歩んだ祖母のひとこと。
リカさん
リカちゃんが欲しいと頼んだようこに、おばあちゃんから贈られたのは
黒髪の市松人形で、名前がりか。
ところがこの「りかさん」、ようこにしゃべる。テレパシーで伝えてくる。
まるで映画を観ているように、おどろおどろしい場面が文章でばんばん
伝わってくる。
ちょっとやりすぎかな~。