元気な赤ちゃんを抱えて久しぶりに来局された
女性。
「おおー、無事生まれたんだー!」
あの頃は薬局にきてよくメソメソしてたけど、今日は包容力を感じるお母さんの顔をしている。
確か妊娠が分かった時は40代に突入していたと思う・・・
結婚して12年。
結婚後引っ越しなどのストレスから生理が滞りがちとなり、
病院で検査するとプロラクチン値が高く抗プロラクチン剤を服用。クロミッドも服用したが、しだいにこれらを服用しないと生理がこない状態に。AIHは何回も行っている。
このところクロミッドの反応性が落ちてきて1回3錠の服用でやっと生理がきた
というところで当薬局に来局された方でした。
彼女は、これまで精神的にかなり大きなダメージを受けていたようで、
話をしながらすぐ
涙目になってしまう。
とにかく漢方で体の立て直しを図りましょう
と、補血剤と補腎剤でスタート。
病院の薬をもう飲みたくないというので、話し合った結果、抗プロラクチン剤だけ飲むことで納得。
1ヶ月後
この日は基礎体温表も持ってきて見せてくれた。
漢方薬の効きがいい体質なのか、それともこれまでよほど体が消耗していたのか、
前回の漢方薬2種類で、しっかり生理がきて、
しかも低温期と高温期がきれいに出現している。そのまま今の処方を続けてみることに。
2ヶ月後
しっかり生理はきている。
が、低温から高温への切り替えがやや不鮮明で、高温期に2分(ブ)以上体温が下がる時が
あったので、低温期と高温期に補腎剤をそれぞれ強化。
3ヶ月後
排卵期に腹痛が(排卵痛)があるというので(しっかり排卵している証拠だけど)
この時期だけ芍薬甘草湯、生理時に折衝飲という漢方薬をプラス。
4ヶ月後
ばっちりの美しい基礎体温だ。排卵痛も和らいだそう。
5ヶ月後
高温期がちょっと長くなってるかも。同じ処方を続ける。
と、10日後に妊娠確認。
冷え込んだ朝、陽光で温められた草露が水蒸気となり霧が立つ。
年齢的には厳しいかと思われましたが、漢方薬の服用をはじめてどんどん元気になれれた方でした。
「もう一人、この子のためにも早く兄弟をつくってあげたい」
そう言った彼女は、すっかり逞しいお母さんだ。
漢方の空間ファインエンドー薬局 不妊症と漢方薬