漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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春の養生:古いものを排泄する、体を温める

2024-04-12 | 春の養生法
新陳代謝とは、古いものを排泄して新しいものを作り出すこと
静かに過ごした冬の間に体にたまった古いものを排泄し、気血津液のめぐりを促す春です。

溜まったものを排泄する方法は、排便、排尿と汗をかくこと



芽をだす山菜類、発汗作用のある辛味野菜、利尿や便通に効果的な根菜類や海藻類などがおすすめ

体を温める:朝は早起きし、温かいもの消化しやすいものを食べ体内の陽気を上げます。

運動して汗をかくことを春からしっかり行っておけば、体温調節が上手になり、夏の暑さや熱中症対策にもなります。
南の国からサシバがやってきた
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イライラする春・気滞

2024-04-05 | 春の養生法
寒暖差が大きい春。それだけでも気の巡りが偏りがちですが、急に気温が上がると頭が熱くなり気分が高揚しすぎて、イライラして八つ当たりしたくなったり、胸が詰まって苦しくなったり、生理前の不快症状が強くなったりしがちです。
周りの人がとばっちりを受けることにもなりかねないので、早めに対策することをおすすめします。
食べ物では、さわやかな香り、やさしい酸味、少々苦みがあるもの(山菜など)を少量、メニューに加えると気分がすっきり体のつかえが解消します。
漢方薬の味も、ふだんなら苦くてまずいと思うようなものも、気滞状態の時は、美味しく飲めたりします。体が必要としている証拠でしょうね。

辛すぎるものを摂りすぎると火に油を注ぐことになり、イライラが助長されることがあります。

漢方のご常連さんも、この時期になると「○○漢方の季節よね」と備えにやってこられます。
どの漢方を用いるかは体質によって異なるのでよくご相談ください。


ミツバアケビの花が咲き始めた。アケビ類の茎は生薬木通(モクツウ)で降火利水作用を持ち瀉火利湿顆粒などに配合されている。
やっと咲き始めたと思ったらどんどん咲き進む今年の桜。
それにしても天気がすぐれない日が続く

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やけに口が渇く、手足がほてる:気陰を補いながら積極的に汗をかく

2023-04-03 | 春の養生法
急に暖かくなり、また雨が降ってもムシムシしたり。
すると、気づかぬうちに汗をかきすぎて、思いのほか体液を消耗していることがあります。
たとえば、
・口やのどがよく乾く
・寝汗をかく
・尿量が少ない
・顔や手足の裏が煩わしくほてる
・眠りが浅い
・空咳がでる
などは、気陰不足(潤いとエネルギーの消耗)症状です。
麦味参顆粒』で充填しておきましょう。

(昨日は風が強くてソメイヨシノが一斉に散りました)
また、冬はあまり汗をかくことがなかったので、皮膚の代謝力は落ちています。
なので春は、積極的に運動して自ら汗をかき、上手に汗をかけるよう訓練する季節です。
そうすると、気温変化に体が楽に対応できるようになり、今後、夏バテや熱中症に陥りにくくなります。
(ヤマガラ)
小鳥たちも動きが活発です。

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世界でもっとも寝ていない日本女性

2023-03-06 | 春の養生法
啓蟄初候・蟄虫戸を啓く(すごもりのむしとをひらく)
冬ごもりしていた虫が動き出すという啓蟄。
虫だけでなく、様々なものが春の陽気を感じて目覚め動き始めます。

これまでより少し早起きして、活動時間を延ばしましょう。
少々気分が落ち込んでも、とにかくカーテンを開けたり外へ出たりして、春の日差しを浴びることです。

ところで2,3日前のニュースデータで見かけたのですが、
世界で最も寝ていないのは日本女性なのだそうです。特に40~60代。
家族のために、早起きしたり遅く寝たりして家事の時間を捻出している結果らしいです。
中高年の男性諸氏、ぜひもっと家事を分担して女性にもう少し寝てもらってください。
例えば朝食は男性が早起きして作るとか。そうすれば、男性も朝から気分スッキリでき、女性は睡眠不足が解消して気持ちが安定し、穏やかな家庭になることでしょう。

春はみんなでのびのび過ごすことです。

お休み中のホシハジロ。カモは昼寝が得意みたい。
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立春・東風凍を解く(とうふうこおりをとく)

2023-02-04 | 春の養生法
東風とは春風のこと。
この時期になると北風が東寄りになり、寒さがほんの少し和らぎます。
五行学説でも春の方角は東。東から春がやってくると昔の中国の人も感じたのでしょうね。


そして春は養肝。肝を養う季節です。
少しだけ早起きし、朝日を浴びて陽気を体に取り入れ、木々の芽が健やかに成長するようにのびのびと過ごすことです。
充分な睡眠で疲労回復しゆったりと過ごします。
ストレスは、こわばりと怒りを産みます。
深呼吸して体のこわばりをほぐしてください。
自然の香りで気分発散を心がけ、リラックスしてください。

旧暦ではこの日から新年なのだそうです。新しい気持ちで向かいたいものですね。

「外からは梅が飛び込む福茶かな」(小林一茶)
昨日は豆を買い忘れました。それでも福が来てくれますように。

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地元で探鳥会、キジ、サギ、ウグイス、モズなど

2022-04-19 | 春の養生法

日曜日は地元で探鳥会を開催しました。

コロナまん延防止が解除され久々の開催で、前日までの雨があがり景色はすっかり新緑の世界になっていました。

キジ ケンケンとよく鳴きます。

コサギは婚姻色を呈していました(鼻の付け根が赤くなっている、足の指も赤い)

ダイサギとアオサギ。アオサギの嘴も赤みを増していますね。

ウグイスさえずり中。どうやらこの辺りで営巣を始めたようです。

モズも営巣しているはずです。

ざんねんなコムクドリ(ピント合わず)

北へ移動する途中に毎年今頃、印旛沼あたりで一休みしてくれます

一人でも探鳥はできますが、たくさんの目で鳥を探すと次々と見つかって楽しさ倍増です。

みんなで静かに、ワクワク楽しんでいるって素敵です。この日確認できた鳥は42種類。

 


春の養生・23時までに寝るのがよい理由

2022-03-09 | 春の養生法

春は「肝」を養う季節。

肝は血が集まるところといわれます。

西洋医学的にも肝臓は血液によって運ばれてきた様々なものを栄養にしたり解毒したりしています。

1日の内で「肝胆」の時間は23時~3時、ついでにその前の21時~23時は「三焦」といって上中下の気や津液を巡らす時間です。つまり、この時間帯にその日の解毒と明日の準備が行われるのです。

さて、モノを動かすとき、上下に動かすより、横に動かす方が楽ですね。

動物たちは概ね、体幹が横になっていてその中央に肝臓があるのですが、ヒトの体幹は立っているので、横になる時間を持つことはとても大切だと考えています。

なので、睡眠時間の確保が重要なのです。

そして、その時間に肝臓に血液を向かわせるためには、夜食などで胃腸を動かしてはなりません。難しいことを考えて脳に血液を呼んでもいけません。

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春の養生、こわばった体を伸ばす

2022-03-02 | 春の養生法

雨が降るたびに草木の緑が目立ってきました。

暦では、草木が芽生え動く時期「草木萌動」。

そのあとは、土の中の虫たちがその戸を開いて出てくる「啓蟄(けいちつ)」。

躍動感を感じますね。

人ものびのび暮らすことです。

まずは、こわばった体を伸ばします

朝目覚めたら、起き上がる前に四肢と背骨を伸ばします。

夜ふとんに入る時は、目を閉じて静かに3~5回深呼吸(しっかり息を吐きだします)

腹式呼吸で、お腹が背中にくっつきそうになるくらいしっかり息を吐きだすのがコツ。

体の内側の筋肉のずれが整ってすっきりしますよ。

立ってでも寝てでも、座ってでもかまいません。

日中も姿勢を正して深呼吸するといいですよ。

やってみて。

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気を開いて、つかえを取り除く漢方薬

2021-02-05 | 春の養生法

食べた物は口→胃→腸と、体の上から下へ向かっていくべきですが、

この流れが滞ると、張ったり、つかえたり、逆流してゲップが出たり、便秘になったり下痢になったりして痛みを伴うこともあります。

春は気の流れが停滞しやすく(気滞)、ここ数日、「開気丸」のご指名が増えました。

お馴染みさんのカルテを見ると、開気丸を購入しているのが決まって春だったりします。

開気丸の効能は胃腸の不快症状の改善ですが、腹が張る、胃がつかえて苦しいなどが選択ポイントです。

気滞状態が長引いていると石のように固まっているので、効いてくるのに数日かかる場合もありますが、

つかえがとれた途端に霧が晴れたようにスッキリします。

気を開くという考え方は西洋医学にないものですが、症状の解消にきっかけを与えてくれる大切な漢方の働きで、ストレスなど精神的な症状に用いることもあります。

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内風・体の内を風が吹き荒れる症状・肝の養生

2021-02-02 | 春の養生法

風邪(ふうじゃ)には、外風に対して内風があります。

多くは五行の「肝」に由来し、肝の季節の春に多くなる症状です。

肝の陰血が不足していると、例えれば、潤い不足で空焚き状態をおこしやすく、急な気温上昇や強風などが引き金となり体内から風が舞い上がるが如くにかき乱されるのです。

その主な症状は、イライラや不眠、めまい、痙攣性の症状、かゆみや蕁麻疹などです。

肝鬱、肝陽上亢、肝風内動、血虚風燥などといった言葉があります

まず肝の消耗を防ぐ養生をします。

疲労やストレス、睡眠不足、目の使い過ぎで血虚を助長したり、お酒の飲み過ぎなどで肝を痛めつけてはいけません

血虚の人は積極的に漢方薬で補血しておきましょう。

 

「肝は血を蔵し、疏泄を主る(つかさどる)」

疏泄とは「気のめぐり」がスムーズであること。

肝の色は青(緑)ですから、緑のものを種類多く味わうことです。

春の若い緑の持つ独特の香りや苦みが気をめぐらせ、脳をスッキリさせ興奮をさましてくれます

コツは朝。

朝食時に良い香りの野菜を食べたりハーブティーや漢方薬を飲むと、一日を穏やかに過ごせるでしょう

コロナストレスの中、香りや苦みや酸味をうまく取り入れて、気のめぐりを改善しておきましょう

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日の出の時刻が早くなります

2021-01-12 | 春の養生法

ここ数日、起床時の外は真っ暗でしたが、やっと日の出の時刻が早くなります

同じ時刻に出かけるので、お日様の位置がどんどん移動しているのがわかるこの頃です

地球は動いているのだなあと、いまさらながら驚かされます

歴は、小寒次候「水泉動く」地中深くまで凍っていた泉が動き始めるんだそう。

なんだか躍動感を感じますね

コロナでウツウツしている場合じゃありません

張り切ってゆきましょう

西印旛沼は浅瀬が凍っているところもあったが、オナガガモたちは、そろそろお相手探しで賑やかになりそうです。

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陰極まって陽に転じる、少しづつ活発に動いてみよう

2020-12-23 | 春の養生法

気づけば、日暮れが少し遅くなりました。朝はまだ早くならないのですがね。

冬至を過ぎ、昼の時間が長くなりつつあります。

陰が極まって陽に転じる。たっぷりの陰の中に、陽が生まれそれが少しずつ増えていきます。

「一陽来復」

少しづつ春に向かっていきます。

冬にじっと「閉蔵」してエネルギーを充電していた体を、少し動かしてみましょう。

印旛沼で出会ったカワセミ。お腹(陰)をお日様にあてて「陽」を増やしているのかな。

「一陽来復」には、悪いことが続いた後に幸運に向かうという意味もあるそうですよ。

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春は六淫七情に振り回される・「逍遙散」

2020-03-23 | 春の養生法

イライラ、うつうつ、胃のあたりのつかえ、けだるさ、食欲不振、生理不順・・・

その症状は西洋医学的には、心療内科だったり内科だったり婦人科だったりするのですが、

春はそんな症状が現れやすい時期で、昔から「木の芽時だからね~」と言ったりします。

春は六淫七情に振り回される季節です

六淫とは、風寒暑湿燥火の邪(人の体に悪影響を及ぼすもの)で主に気候変動をいいます

七情とは、怒喜思憂悲恐驚の邪で感情の乱れをいいます

そんなときによく用いる漢方が逍遙散(しょうようさん)です

逍遙とは、きままに散歩する意味で、そんな気分を保てば木の芽も体も、のびのびできるのです。

この逍遙散、主な生薬は柴胡ですが、少量の「薄荷(はっか)」が配合されているのが面白いです。

スーッとする心地よい香りで体内のわだかまりみたいなものが動いていろんなことが解消されるのですね。

香りや味って大切です。

肝の症状を訴える人が増えてきました

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「肝」の症状を訴える人が増えてきました

2020-03-18 | 春の養生法

中医学の五行学説によれば、春は「肝」に関連する症状が現れやすい季節です

そんなときの食養生は、ここちよい香りや苦みを体に取り入れることです
ハーブや香味野菜、山菜、そして春の花々も柔らかな香りを与えてくれ、体がリラックスします。

以下の症状、思い当たりませんか?
この頃やけにイライラしてるなあと思う人がいたら、散歩に誘ってみたり、なにげに山菜料理をお勧めしてみるのもいいかも。

肝の症状
イライラしやすい、怒りっぽい、我慢できない 
憂鬱感、猜疑心、知らず知らずにため息が出る 
感情が不安定で、正しい判断ができ難い 
気持が落ち着かず眠りが浅い

喉がつかえる、胃がつかえる 
食欲にムラがある、ゲップがよくでる、吐気 
わき腹や肝臓のあたりがつかえる、腹が張る、ガスがたまる 
下痢になったり便秘になったりする

筋肉が痙攣する、ひきつる、知覚麻痺 
目が潤わず乾き易い、目が疲れやすい、視力障害 
目が赤い、目の奥が痛い

月経不順、生理前の不快症状が多い
肩こり、頭痛、偏頭痛、突然の耳鳴り 

肝系の漢方処方は、四逆散、逍遙散、半夏厚朴湯、竜胆瀉肝湯、開気丸、四物湯、杞菊地黄丸、釣藤散、小柴胡湯、柴胡桂枝湯などなどいろいろあります。よくご相談になり漢方を選んでください。

肝血虚だと肝の症状が現れやすくなります、特に女性は「婦宝当帰膠」で補血をしっかりしておきましょう。

春に気持ちがうつうつ

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雨水初候「土脈潤い起こる」ふきのとうの苦みで気持ちを穏やかに

2020-02-19 | 春の養生法

冷え込むといっても日中は日差しの暖かさを感じますね。

「土脈潤い・・・」山の雪がゆっくりとけだし川が濁ることもあるそうで、これを雪濁りといったりするそう。

大地が潤い、芽吹きが起こる。

思い立って昨日、フキノトウをスーパーに探したがなくて、

と今日、薬局のお馴染みさんが「たべる~?」と持ってきてくださった。

ありがたし。

今日はフキ味噌にしよう。

 

フキノトウまたはフキ:寒、苦微甘 止咳去痰・解毒消炎・健胃消食

苦みは大概、冷ます働きがある。炎症を抑え、咳を改善し、胃もたれを軽くする

興奮を抑える働きがあるので、暖かくなって、なんだかイラつくというときには苦いものを食べるとよい

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