こりゃまた、おっもしろいものを作っちゃいましたね、サム・メンデス監督。
サム・メンデス監督と言えば「アメリカン・ビューティー」
崩壊寸前の家族の問題を鋭くえぐった作品でした。
そして今回は、
レボリューショナリー通り(革命通り?)に素敵な家を持った若い夫婦の物語ですが、
サム・メンデス監督の特徴は、
無駄を削りに削り落した、ストレートなセリフ、計算つくされた映像、
役者の表情も中途半端なんて許されない、完璧な演技。
なので、すべての画面ですごい緊迫感があります。
物語の中盤、フランク(レオ)の上司が言います。
「男を躍らせるのは妻だ」
このときは何のことだろうと思うのですが、まさに
テーマはこれでしょう。
以下、ストーリーを暴いてしまいますが、
それでもおそらく実際に観なければこの緊迫感は感じることができないと思います。
* * * *
ステキな家に住んでいても子育てと家事の繰り返しにむなしさを感じる妻エイプリル(ケイト)。
いったい自分は何をしてるのだろう・・・
夫フランクを見れば、気の入らない仕事に脱力感。
そこで、エイプリルはパリに住むことを思い立ちます。
夫に「もっと自由な時間を持ってあなたの本当にやりたいことを見つけるべきよ
」と。
(そお~、そんなふうに思ってくれるの~、それもいいかも~)照れながらも喜ぶ夫。
やがてその思いつきはエイプリル自身の不満からだとわかるのですが、
もう彼女の感情はパリに行くことを止められません。
パリ行を決め、引っ越し準備に没頭します。
(なぜそんなに・・・)戸惑う夫
そんなときフランクの仕事が認められ大幅に昇給することになります。
エイプリルも妊娠がわかります。
そうなれば、理屈で考えれば当然、パリに引っ越すなんてむちゃです。
(恐る恐る・・・)夫はパリに行かなくてもという話をします。
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納得せざるを得ないエイプリル。次の場面では死んだような表情。
いったい彼女は何を考えているのかわかりません。
おそらく自分の中でもまったく収拾が付かないのかも知れません。
だけどこのままじゃダメ。
結局、夫すべてを否定してしまうことになります。
ケイトの演技は、すごい勢いで研ぎ澄まされていくようで、圧倒されます。
そして
そんなこんなの彼女の言動に、夫は喜んだり、怒ったり、戸惑ったり・・・
この夫の気持ちを表現するのに、
レオの表情が必要だったのだと思います。
彼の表情七変化は抜群です。
夫フランクがエイプリルに問い詰めます。
観ていて思わず私は心の中で答えてしまうのですが、その言葉がエイプリルのセリフとどんどん一致してきてしまうのです。
女の中では、感情的な理解だけど、エイプリルの行動はごく当然で、大いにありえる
。(自分でもこわいけど・・・)
だが、男からみれば精神が正常だとは思えないほど、理解できない。
(すらすらと彼女の気持ちを代弁する男は、精神異常者という役設定だった・・・)
彼ら以外に2組の夫婦が登場しますが、この男女間も不思議な距離感で、
おそらく「燃え尽き」ても結論はでない、男と女。
それでも夫婦を続けたりする人間って、すごく不思議な動物なのかも。
★★★★★
現在ラブラブの男女、もしくは若い男性はこの映画の評価が低くてかまいません。
カップルでの鑑賞は厳禁です。
ひとりでじっくりのめりこみましょう。
監督サム・メンデス 原作リチャード・イェーツ
出演 レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット キャシー・ベイツ キャスリーン・ハーン マイケル・シャノン
サム・メンデス監督と言えば「アメリカン・ビューティー」
崩壊寸前の家族の問題を鋭くえぐった作品でした。
そして今回は、
レボリューショナリー通り(革命通り?)に素敵な家を持った若い夫婦の物語ですが、
サム・メンデス監督の特徴は、
無駄を削りに削り落した、ストレートなセリフ、計算つくされた映像、
役者の表情も中途半端なんて許されない、完璧な演技。
なので、すべての画面ですごい緊迫感があります。
物語の中盤、フランク(レオ)の上司が言います。
「男を躍らせるのは妻だ」
このときは何のことだろうと思うのですが、まさに
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それでもおそらく実際に観なければこの緊迫感は感じることができないと思います。
* * * *
ステキな家に住んでいても子育てと家事の繰り返しにむなしさを感じる妻エイプリル(ケイト)。
いったい自分は何をしてるのだろう・・・
夫フランクを見れば、気の入らない仕事に脱力感。
そこで、エイプリルはパリに住むことを思い立ちます。
夫に「もっと自由な時間を持ってあなたの本当にやりたいことを見つけるべきよ
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やがてその思いつきはエイプリル自身の不満からだとわかるのですが、
もう彼女の感情はパリに行くことを止められません。
パリ行を決め、引っ越し準備に没頭します。
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そんなときフランクの仕事が認められ大幅に昇給することになります。
エイプリルも妊娠がわかります。
そうなれば、理屈で考えれば当然、パリに引っ越すなんてむちゃです。
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納得せざるを得ないエイプリル。次の場面では死んだような表情。
いったい彼女は何を考えているのかわかりません。
おそらく自分の中でもまったく収拾が付かないのかも知れません。
だけどこのままじゃダメ。
結局、夫すべてを否定してしまうことになります。
ケイトの演技は、すごい勢いで研ぎ澄まされていくようで、圧倒されます。
そして
そんなこんなの彼女の言動に、夫は喜んだり、怒ったり、戸惑ったり・・・
この夫の気持ちを表現するのに、
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彼の表情七変化は抜群です。
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観ていて思わず私は心の中で答えてしまうのですが、その言葉がエイプリルのセリフとどんどん一致してきてしまうのです。
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女の中では、感情的な理解だけど、エイプリルの行動はごく当然で、大いにありえる
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だが、男からみれば精神が正常だとは思えないほど、理解できない。
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(すらすらと彼女の気持ちを代弁する男は、精神異常者という役設定だった・・・)
彼ら以外に2組の夫婦が登場しますが、この男女間も不思議な距離感で、
おそらく「燃え尽き」ても結論はでない、男と女。
それでも夫婦を続けたりする人間って、すごく不思議な動物なのかも。
★★★★★
現在ラブラブの男女、もしくは若い男性はこの映画の評価が低くてかまいません。
カップルでの鑑賞は厳禁です。
ひとりでじっくりのめりこみましょう。
監督サム・メンデス 原作リチャード・イェーツ
出演 レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット キャシー・ベイツ キャスリーン・ハーン マイケル・シャノン