漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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血流が悪いってどんな状況?:手荒れ、しもやけ、目の乾燥などなど

2024-12-28 | 老化・血流
このところ、手荒れとか、しもやけとか、手足だけ冷えるとか、目が乾燥してゴロゴロするなどのご相談が続く。足は冷たいが顔はのぼせるという人も多い。
これらの多くは、全身にくまなく血液を巡らせられていない状況。
そのため末端は栄養不足に陥って冷えて皮膚などはカサついて荒れるのだ。そして上半身は熱が昇ったまま廻らないので火照る。

つまり末端は「部分的貧血」に陥っていて、老廃物の掃除も栄養補給もできていない。


朝は冷え込み厳しくなりカシラダカも寒そう

血管が固くても(動脈硬化)通りにくいし、血球の弾力性(変形能)がなくても通れない。30代半ばからは動脈硬化は進むのですでに若い頃より血流量は減っている。
ストレス続きとか疲労がたまっている状態でも血液は動きにくくなる。
脂っこいものや甘いものの食べすぎも赤血球がどろどろして流れにくい。
運動不足で筋肉が細いと血の動きも悪く、このタイプには冷え性が多い。

このごろの私のティータイムは婦宝当帰膠+冠元顆粒(補血+活血)

このように中医学的に考察すれば、対策は、気虚血虚陰虚など「虚」を補いながら「活血」すればよいことがわかる。
自分がどのような体質なのかは、よくご相談ください。


朝ウォークで、アカハラ、シロハラなどに出会う

沼にはヨシガモ

1/1~1/3は休業します。
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夏の後は冬だった

2024-12-21 | 暦・季節ごとの養生法
「夏の後は冬だったね~」
「合いものを着る暇なかった」
「体が夏バージョンのままで寒さが堪える~」
という話が出るこの頃の薬局です。
地球温暖化というのか、四季が二季になるようですが、それでも気候に慣れていかなきゃね。
戸外に出て、運動すること大切です。
だけど寝る時はしっかり温かくしてね。

なかなかクリスマスの気分も出ないけれど、気づけば年末。
そして今日は冬至。
一年中で一番昼が短い日で、明日からは日が長くなる新スタートの日とも言えます。

年末年始の予定
12/31は午後5時閉店
1/1~1/3は休業します

セイヨウヒイラギと違って、ヒイラギの花は冬に咲く。

これは何でしょうか?そうロウバイです。
今年は葉が青々茂って、この写真で検索してもロウバイは出てきませんよ(笑)
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胃弱なのに食欲が出て口内炎、その対策は?

2024-12-16 | 胃腸
口内炎というと、甘いものや脂っこいものの食べ過ぎで「胃熱」が生じているタイプが多く、対策はこれを冷ます漢方薬を用いて大概よくなるのですが、口内炎もいくつかのタイプがあります。
さて、
もともと胃弱な女性の口内炎の話。
珍しく食が進んだせいか口内炎がなかなかひかないという。赤みも少なく痛みもひどくなく水膨れみたいな口内炎で「ちょっと微熱もあるかも」というので、気虚かな、お手持ちの補中益気湯を飲んでもらったがあまり変わらず、サンプルに差し上げていた晶三仙2包を飲んでみたらあっという間に口内炎が消え体も軽くなったそうです。

人によって「食べ過ぎ」の基準は異なるのです。
胃弱な人は少しでも食べ過ぎると胃に無理が生じ食滞を起こしがちです。
彼女の口内炎は、食滞を晶三仙で取り去ることで問題が解消され治ったようです。


過食気味の人も、ふだんから晶三仙などの消導薬で掃除をしておくと、痛い口内炎を予防できることでしょう。

皮膚や粘膜に何か噴き出すものがある時は、「体内に溜まり物がないか」突き止めてこれを掃除するとわりにスッキリ治るものです。
なんでもチョコラBB、でもありませんね。


オオジュリンやミコアイアもやってきた西印旛沼です

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現代の不妊治療について婦人科医の講義を受ける

2024-12-10 | 子宝・妊娠体質つくり
自然妊娠率は低下していて、いまや不妊治療を受けたことのある夫婦は約23%、不妊治療で生まれた子供は7万人近くに達する(11.6人に一人2021年)
(2024年は出生数は68.5万人の予定)

不妊治療を受ける女性側の負担は相変わらず大きい。公的補助は増えたといっても、夫婦の治療に対する気持ちの温度差、仕事などによるすれ違い、職場で休暇をとる難しさ、キャリアが失われる恐れ、治療に専念できない焦り、精神的プレッシャーは限りない。

わが薬局で妊活漢方対策をしている中でも、気持ちを穏やかにする対策だけで、うまく妊娠される人もいるほど、現代の生活事情は女性にとって妊娠には適さないのだろう。

「卵子の老化」が騒がれて久しいが、依然としてそのことに変わりはなく、いくら治療技術が進んだとはいえ、親の精子と卵子が良質であることは必須。保険適応年齢も42歳だし、実際それ以上の年齢だとなかなか妊娠には至らない。

あまり話題にされないが、実は男性の精子の質、量ともに低下は激しく、それも自然妊娠が難しくなっている一因でもある。

若いうちから、戸外での適度の運動、十分な睡眠、ストレス発散などいつもの生活養生を欠かさず、漢方も利用して健康な体をキープする努力が必要だろう。

やっと冬鳥のツグミが近所の雑木林に落ちついてくれた

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咳がなかなか収まらない主な原因は気逆ですが

2024-12-04 | 肺、咳、喘息
このごろ咳のご相談が多いなあと思ったら、入口に小さいながら咳のポスターを張っていたのでした。
それにしてもご相談者は深刻で、ずっと咳が治らず悩んでいる人ばかり。
咳止めを飲んでも吸入薬を使ってもなお、収まらないのです。
気管が過敏になってアレルギー状態になっていると言われたりするのですが。

なぜ咳がなかなか収まらないのか中医学的に考察してみましょう。
咳は、体の問題があっておこしている信号なのです。

・気の流れが逆流している(気逆)
鼻から空気を吸うとそれはすーっと下に降りていくべきです。しかし胸のあたりで「気が停滞」していると、スムーズに降りていかず痞えて、こみ上げて咳払い、呼吸が浅くなる、激しく咳き込むという症状が出ます。
緊張やストレスから解放されず体がこわばっている人に多いです。

・潤いが不足している(陰虚)
咳が長引いて粘膜が弱ってしまったり、加齢により潤い不足の体質だったり、咳止めや風邪薬の飲み過ぎで分泌液を抑え込んだりしていると、粘膜がカサカサになり、痰が濃縮して絡みやすくイガイガしがちです。

・疲労が溜まっている(気虚)
咳をすることはとても疲れます。これが長引くとすっかり疲労が蓄積してしまいます。もともと疲労蓄積が原因でカゼをしっかり治せず、体の外側であるのどや気管が弱ったままで外気に触れるだけで咳き込むということもあります。

というわけで、咳は「止める」でなくても、これらの問題を上手に解消すればおのずと収まります。
今のところ、相談者の方々は、数日ごとの漢方対策で匙加減して、生活養生も行い、徐々に収まり顔色もよく元気になられています。

早く咳から解放されるよう、よくご相談になりご自分の体質の偏りを改善してください。

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