流産はめったにない事のように思われているかもしれませんが、年齢とともに増え、40歳を超えると半数近くは流産するというのが現実です。
妊娠12週までの初期流産の多くは受精卵の染色体異常が原因で、つくづくヒトになるむずかしさを感じます。
完璧な遺伝子をパートナー双方が持ち寄ることが必要なのです。
しかし、年齢と共に遺伝子の正常分割ができにくくなり、40代になると受精卵の染色体異常割合は90%を超えると言われます。「卵子の老化」と言われますが、男性も同じように染色体異常は多くなります。
そして、一般に胎盤が完成する16週からは安定期と呼ばれ流産の危険性が少なくなるのですが、最近のデータによれば、妊婦が40代では20週前後でも胎児の成長が止まり流産することがあり、その原因はまだ明らかではないのですが、免疫的な問題や骨盤内の血流量の不足などが言われています。
ちなみに30代半ばからは血流量は半減しているとさえ言われています。
脅かすばかりで不安になりますが、一般のデータではこのような結果です。
その割には漢方服用で妊娠された方はとても流産率が少ないように思います。
なによりも、種を植える前に畑を耕す体づくりが必要ってことではないでしょうか。
先日は、流産が続いて精神的にも落ち込んでいた3人目希望の女性が、漢方で体質改善して無事に妊娠後期まで育ちました。ご主人とともに、補腎と補血活血や免疫的な安定化などを主に対策しました。
たくさんの実をつけたマユミです
昨日は不妊症Zoom講座で、不妊外来専門病院医師の講演を聞きました。
今、晩婚化による女性卵子の老化と、男性精子の激しい減少は、大問題です。
女性の卵子は35歳を過ぎると劣化が著しくなり、男性の精子数はかつて1億匹前後だったのが今は2000とか3000が普通で1600以上ならOKということになっています。
かつては妊娠を希望して2年間妊娠しなかったら不妊症でしたが、今は1年で、女性が35歳以上では6か月になっています。
(時計草)
そのため今後は、若い世代が健康になることがまず第一ということで
・適正体重に調整する(BMI18.5~24.9、理想は22)
・ビタミンDを補う(牛乳、ヨーグルト、干しシイタケ、シラス、戸外での運動)
・葉酸を補う(モロヘイヤ、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ、いちご、みかんなど)
・運動する(1週間に150分)
・禁煙、受動喫煙を避ける(ニコチンによりへその緒が収縮して胎児に栄養が届かず流産率が高まる)
・血行改善する
・アルコールを控える(目安はビール250ml ワイン100ml)
・ストレスをため込まない(旅行や趣味を楽しむ)
を勧めています。
もしも、わが子を産んで育てたいと思っているなら、今日から二人で養生を始めてください。
男性も養生が必要です。不妊の原因は男女半々で、女性にはタイムリミットがあることを理解してください。
まだ子供はいらないわ~という人もいますね。そんな人も将来をよく考えてみてください。人生って案外短くて、チャンスはさっさとつかまなければなくなってしまいます。
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不育症とは、流産、死産、新生児死亡を繰り返し、子供を持てない病態
流産とは、胎嚢確認できたのちに起きたもの。新生児死亡とは、出生後28日未満の乳児死亡。
反復流産とは流産2回、習慣性流産とは流産3回以上。
多くの流産は妊娠12週未満で発生する
40歳以上では40%以上が流産するといわれ、流産物の染色体検査では60%に染色体異常が認められた
ただし、不育症の85%がその後無事出産に至っている
対策:卵子精子の質、子宮内膜の充実、免疫の安定
流産防止漢方養生:3か月は、補腎健脾活血など 瘀血気血不足だと胎児への栄養不足を引き起こす
妊娠した場合は最低でも、「前回流産週+2週間」は補胎対策(補脾腎補気血)をおこなう
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女性は28歳くらいまではまだ成長期なのに、痩せすぎていると、骨も生殖機能も未熟なまま、その後下降線をたどるので、おそらく骨粗しょう症の危険性が高まり、閉経が早くなることに。つまり老化が早まる。
当薬局のご相談者で統計をとると、BMI18以下で生理不順や無月経に陥るようです。
無理なダイエットで急に栄養バランスを崩した場合は、そこまで体重が減らなくても無月経に陥ることがあります。
本日のニュースで、20代女性の2割は痩せ(BMI18.5以下)、という厚労省の発表。
健康被害に陥っている女性が20代で5人に1人いるということです。
BMI値が18.5未満(体重㎏÷身長m÷身長m)は、たとえば身長160㎝なら47.36㎏
つまりこれ以下なら、健康被害が出るということです。
健康なBMIは20~22と言われており、その体重は、身長160㎝なら51.2~56.32㎏です。
よく動いてよく食べ、健康な体をつくってください。ただし最近よくテレビで見かけるドカ食いはやめましょうね。
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「ストレスってそんなにないんだけど・・・」と控えめにおっしゃる妊活中の方。
毎日毎日妊娠を望んでいるのに、毎月生理がくる。妊活中の女性たちはストレスにまみれていると言ってよいでしょう。
ストレスは、体をこわばらせリズムを狂わせます。
生活を少し変えて、気づかぬうちに囚われているストレスを減らしてほしい。
現代の私たちの生活は、昼夜の時間がずれても気にしないし、食べ物も季節を無視することが多いし、加工食品を使うことも多い。これから寝ようとする前にたくさん食べたり飲んだりする。外は暑いのに冷房の効きすぎで体が冷え切っていたりする・・・
このように自然の流れとずれて体内時計が狂うことは、体にとって強いストレスになるのではないでしょうか。
なにかと情報も多すぎて収拾がつかず、あーじゃないか、こーじゃないかとむやみに小さなことに囚われて、欲求も膨らみ、頭の中は緊張で一杯で絶えず興奮状態で落ち着かない。
外に出て季節を感じ、自然の多い場所に行ってゆっくり散歩してみて。
地球の時間と同調して生活し、いつもと違う食材を見つけて味わってみて。
パートナーとの生活を楽しんでみて。仕事を楽しんでみて。
自分にできる社会活動を身近なところからやってみて。
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筋腫の手術をうけて数か月からだを休め、いざ妊活、という女性。
基礎体温は低くメリハリがなく高温期が短い。生理痛あり。
補腎陽対策などの漢方を始めたら、生理出血の塊もなくなり生理痛が楽になり、高温期の日数も伸びてとてもいい感じです。
ところが3か月すると、また筋腫ができたとのことで、補腎剤を動物薬でないものに変え、活血対策を工夫しました。おそらく筋腫ができやすい体質であることと年齢的な問題もあるので、早めに体外受精に切り替えることになりました。
さっそく採卵したところ、漢方を飲んでいたせいか、よい卵子が若者なみに複数個取れ、さらに複数の受精卵を凍結でき、移植着床し出産となりました。
動物薬を含む補腎剤は、よい卵子を生み出す体をつくるのにとても有用です。彼女の体質改善のためにはもっと補腎剤を使いたかったのですが、しかしホルモンの影響を受けるタイプの筋腫は、生理周期が元気になると、勢いづいてしまうので難しいところです。ホルモン治療も長々と行うことはできなかったでしょう。1回の採卵ですばらしい成果が得られたことはとても幸運でした。
どの漢方薬を使うかは、こうしてひとりひとりの体質によって違ってきます。
ネット検索や友人がこれで妊娠したからという偏った情報をうのみにせず、よくご相談ください。
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あくせくしていると「陰」を消耗するという話を書きましたが、年齢によっても陰は減っていきます。
たとえば、20代くらいまでは見た目もピチピチしていますが、40代になるとしだいに張りがなくなりしぼんできますね。
女性の場合、生理周期が短くなってくることがあります。
それは、陰血(液体の栄養分)不足で卵子をじっくり育てられず、未熟なまま早めに排卵してしまうからです(低温期が短くなる)。この場合、排卵に勢いが足りないので、卵胞の黄体化が進まず(高温期も短くなる)、その結果リセットがうまくいかないと、次の周期は排卵できずに、生理が来ないままさらに次の周期を待つことになる(生理がこない)という事態になったりします。
妊娠を希望する人では、積極的に陰血を補う必要があります。
例えば亀鹿仙や婦宝当帰膠(※体質によって用いる漢方薬は異なりますので、よくご相談ください)
肌がピチピチになりたい人にも、もちろんおすすめです。
妊活漢方:陰血が必要な卵胞期 - 漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に (goo.ne.jp)
陰を補うシリーズ:
その1秋の養生
その2生理周期が短くなる
その3不眠
その4しつこい空咳
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妊活漢方、飲んだら体がどう変わるのでしょう。
漢方を飲んで1,2か月の感想を伺うと、
疲れが解消した、前より朝起きられるようになった、冷えが以前より改善した、生理前の体調がよくなった、生理痛が減った、生理出血がパッと始まってサッと終わった、生理周期が安定した・・・どう変わったかわからないという人もいます。
漢方を飲んで体調は良くなってるみたいだけど、これで妊娠率は高まっているのかしら?
そこで基礎体温を見てみましょう。一つのポイントは、低温期から高温期への移行がスムーズでメリハリがあること。それ以外の層は多少ジグザグしていても気にすることはありません。
排卵の勢いが良いということは、卵子や卵胞が順調に育った証拠です。
よい卵子ができれば当然妊娠率は高まりますし、卵胞がよく成長すれば子宮内膜もどんどん増殖します。つまり低温期の漢方や養生がとても重要。
一緒に、毎月の体の変化を観察しながら、楽しく妊活漢方やってみましょう。
・生理不順、無月経
・生理出血量が少ない、排卵期ごろのおりものの量が少ない
・基礎体温が二層に分かれていない
・基礎体温は二層に分かれているが、はっきりしない
・低温期から高温期への移行に日数がかかりすぎる(3日以上)
・高温期が短い(11日間以下)
・低温期と高温期の温度差が少ない(0.3℃以下)
という方、ぜひ漢方で体質改善してみましょう。
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(当薬局は「漢方体験.com」に紹介されています)
妊婦は食物繊維をたくさん食べたほうが、生まれてくる子供は、将来の肥満やメタボのリスクが減るかも、という記事 日経Gooday2020/08/20記事より
この内容をまとめると、
食物繊維⇒ 良い腸内細菌が増える⇒ よい腸内細菌代謝物ができる⇒ 胎児の成長に良い影響を与える
、
腸内細菌は食物繊維を食べて腸内細菌代謝物(短鎖脂肪酸)を放出するのですが、
胎児は、この受容体を、腸や交感神経、すい臓などの臓器にたくさん持っていてるのだそう
「胎児は基本的に腸内細菌を持たず、お腹の中では食事もとらない。おそらく、母親の腸内で作られた短鎖脂肪酸、または何らかのシグナルを血液や胎盤を介して胎児が感知するために、胎児期においても既に短鎖脂肪酸の受容体が存在しているのではないか」(木村教授東京農大教授)
「高食物繊維食を食べた母親の腸で増えた“太りにくい腸内細菌”を、胎児がお腹の中で直接受け継いだことで、子どもの腸で太りにくい腸内細菌叢が形成された可能性もある」(永田教授東京女子医大教授)
腸内細菌が食事を食べて有用な栄養を作り出す。これが糧となって人が元気になる。
さらに胎児の将来にもよい影響を与えている
野菜などをたくさん食べてよい腸内環境を作っておくことって大切ですね。
実は漢方薬も、多種類の野菜を集めたような中身ですから、胃腸虚弱の人が漢方薬を飲んでよくなるのは腸内環境が整うからではないかという考え方もあります
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(当薬局は「漢方体験.com」に紹介されています)
3か月ほど前から漢方薬を飲み始めた女性
それまでは、生理周期が乱れがちで、排卵もスムーズでなく、その結果高温期が短かったのですが、周期を追うごとに、低温期と高温期がくっきりして、今月の高温期は体温が安定して台形のグラフに。
もうすぐ妊娠できると思うなあ。
基礎体温をグラフにするといろんな体調を見出すことができます
というのも、生理周期を調える『コツ』は概ね2つしかないのです。
それさえできるようになれば、元気な卵子が育つので妊娠率はぐんと上がります。
1、生理時、古血を掃除してリセットをしっかり行う
2、卵胞が育つ低温期は、惜しまずたっぷりの滋養と穏やかな活血を行う
あなたの基礎体温はどんなかな?
気になることがありましたらどうぞご相談ください。漢方で体質改善やってみましょう。
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(当薬局は「漢方体験.com」に紹介されています)
亀鹿仙(きろくせん)の主な成分は、亀板や鼈甲、つまりクサ亀やスッポンの腹甲羅
クサ亀は、池の水をさらうTV番組で外来種として疎まれ日本には居場所がないようだが、大切な生薬なのだ
亀板:滋陰潜陽・清虚熱、益腎強骨、固経止崩、養血補心
鼈甲:滋陰潜陽、軟堅散結・破瘀通経
で、妊活対策では特に卵胞期によい働きをしてくれる
卵胞期とは、たっぷりの栄養の中で焦らずじっくり良質の卵子を育てるときで、生理周期の健全さは、ほぼこの時期の充実度で決まるといっていい。
そのため卵胞期は、補血滋陰益精活血理気など体質に応じてできる限りの漢方対策で取り組むようにしている。特に、年齢が高まると血流悪化により末端の栄養不足が発生しやすく、滋陰潜陽が重要なカギとなる
実際、採卵治療でなかなか結果が得られない人にこれを使ってスムーズに採卵できた経験もある。
年齢とともに生殖能力が低下するのは事実で、これに逆行して若返るのは、ふつうに生活していては難しい。何千年もの経験を積み重ねた中医学の知識の中には、それをなしうるものがあるということに驚く。
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(当薬局は「漢方体験.com」に紹介されています)
女性のシステムは、大量の卵胞を次々と捨て続けて、最後に優秀な遺伝子をひとつ育てるようにできています。(男性は良いも悪いもすべてにシッポをつけて、数で勝負する)
新たな生理周期に入ると、卵胞刺激ホルモンの刺激を受けて数百個の卵胞が成長を始めるのですが、数日のうちに、数十個になり、数個になり、生理7日目を過ぎると大概1個になります。
その後は、優秀なこの卵子に栄養を総動員して大切に育て上げるのです。
ホルモンが卵子を作るのではなく、育てるには自身の充分な栄養(陰血)が必須です。
妊活でホルモン治療を受けると、複数個の卵子が育つことがありますが、おそらく現場(卵巣)は大変なことになっています。ふだんの何倍も働いて栄養を授けなければならないのですから。
これを続けると消耗して枯渇し空焚き現象を起こしやすいです。
排卵がやけに早くなったり、日数は充分でも卵子が未熟だったりするようになります。
卵胞期(低温期)は、じっくり丁寧にしかもちょうどよいペースで卵子を成熟させることが大切。
そのために、卵胞期を中心に補血補陰の漢方薬を加えると消耗を防いで体がよみがえります。
例えば亀鹿仙や婦宝当帰膠(※体質によって用いる漢方薬は異なりますので、よくご相談ください)
陰血を消耗しない生活も大切です。
・夜更かし厳禁、良質の睡眠をとる
・目を使いすぎない イライラ興奮しない
・規則正しい生活
・適度の運動と気分転換
コツコツ積み重ねて体をよみがえらせましょう。
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(当薬局は「漢方体験.com」に紹介されています)