日本列島は、春秋がベストシーズンなのに、なんで 秋だけ
「〇〇の秋」というのだろう👀⁉️ 秋の夜長に調べてみました〜暇人かっちゃん
1918年(大正7年)読売新聞に「読書の秋」が、同じく1918年の雑誌「新潮」には
「美術の秋」と言う表現があるそうだ。
また「読書の秋」と言うイメージの元になったのは、古代中国の韓愈が詠んだ 「灯火親しむ秋」(秋の夜長は明かりをつけての読書に適していると言う意味)という詩だと言われているが、日本語の文章でこの詩に触れている例は夏目漱石「三四郎」(1908年•明治41年)が最も古い。
「食欲の秋」の元になったと言われている「天高く馬肥ゆること秋」も
日本語では、田山花袋「春湖」(1903年•明治36年)が初出だという。
これらの言葉が近代以前に使われた可能性はありますが、
盛んに使われるようになったのは、
やはり20世紀に入ってからかもしれません。
逆に新しそうな表現に思える「スポーツの秋」は、1964年10月に開かれた東京オリンピックが、きっかけの気がするが、実は1927年(昭和2年)の 朝日新聞で既に「スポーツの秋」と言う見出しが、大学のレガッタレースと小学生のサッカー大会の記事に使われていた。思ったより古いのだ。
「〇〇の秋」は、明治以前になかったとは明確に言えませんが、大正以降に多く使われるようになった言葉であると推測できます。
おそらく文化を楽しむ社会的なインフラが整い始めたのが、明治以降でありその社会状況とこの言い方が密接に関係しているいるのではないでしょうか。
どうやら日本の近代化とともに広まったらしい「〇〇の秋」
最近はあまり新しい表現が定着していないけど、今後の流行や社会状況によっては、
「宇宙遊泳の秋」とか「クラゲ観察の秋」なんて表現が
定着するかもしれない。
「三省堂国語辞典」の編集委員飯間浩明さんのお話しです。