青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

ハート・ロッカー ~ 2度は観たくない作品No.1

2020-10-06 | 青春・名画劇場

僕がこれまでに観た映画の中で、最も「2度は観たくない」と思った作品が、「ハート・ロッカー」です。映画とは何だろう?そんな考えても仕方がないことを思わせる作品で、面白くないから2度観ないのではなく、見ている間中苦しい時間が続く為、疲れ果ててしまいました。

第82回アカデミー賞最多6部門受賞(作品賞・監督賞・脚本賞・編集賞・音響編集賞・録音賞)、世界の主要映画賞104冠(全米映画批評家協会賞、全米監督組合賞、全米製作者組合賞、英国アカデミー賞等)に輝き、圧倒的な作品評価を獲得。これでは素通り出来ません。

イラクで活躍する高度な専門テクニックと冷静沈着な判断力を求められる爆発物処理班の若き兵士3人を主人公に、彼らの38日間の任務を追った物語で、爆弾処理の現場をリアルに描いた緊迫感溢れる映像が息苦しく迫って来ます。ただ、残酷描写や戦場に血が飛び散るが為に、リアルということではありません。そういう描写についてなら、ホラー映画の方が余程残虐に描いています。

ロケは、クウェート、ヨルダン、アンマンで行われており、中東がどういう場所なのか、アメリカ兵がどのような場所に何をしに派遣されているのかが分かります。この映画を観れば、戦争の良し悪しや戦争の意味ではなく、戦場について理解出来ると、僕は考えます。派手な敵味方に分かれての銃弾戦は描かれていません。

この映画に関しては、観ていない人にどういう映画であるかを説明出来ない。また観た人とこの作品について語り合うことも無いかと。ただ、中東に実際に赴いたアメリカ軍人と話をするには、これを観ておくだけで、戦争についてどこまで切り込んで話せばいいのか、どういう質問はするべきではないかということを、心ある人なら学ぶと思います。

題名の「ハート・ロッカー」とは、アメリカ軍のスラングで「苦痛の極限地帯」、「棺桶」を意味します。