阪神高速空港線の下の道路を大阪に向かって走り、鹿島から2号とも交わる5差路の交差点・歌島橋までの間に、御幣島という地名の町があります。「みてじま」と読みます。「ごへいじま」ではありません。この辺りは海抜0メートル以下の土地の為、何度か台風などで水に浸かったことがあります。僕の親父が勤めていた会社も、水に浸かって親父が暫く休んでいたこともありました。大阪市バスの車庫もありましたが、東西線の御幣島駅が通るなどして無くなりました。
再開発で地下鉄「御幣島」駅が出来、地下に商店街を設ける構想ありきで、歌島橋の交差点地下道から御幣島駅まで長い地下道を作ったものの、商店街構想はポシャリ、今では夜女性が安心して歩けない駅改札からの長い地下道だけが残りました。地上にはミドリ電化やコーナンも出来たのに、残念ながら町は発展しませんでした。マンションが増えたために、町の人口は増えたものの、市バスが廃止にもなりました。
そんな町の興亡史を見て来たのが、この宮脇書店・西淀川店でした。
1階は広い駐車場で、2階が店舗。独特のエスカレーターで書店に入る作りでした。車で気軽に行くことが出来、待ち合わせにも使いました。
とにかく幅広い種類の本が置いてあり、店内を見て歩くのが楽しい書店で、サブカルの品揃えにはかなり力が入っていました。漫画の単行本も多かった!
そんな道路沿いにある、思い付いたら夜でも向かうことが出来た書店でしたが、2013年6月15日を以って閉店となりました。当時は本当に多くの方に惜しまれたと記憶しています。「あそこの本屋さん、いつ終わったの?」と、閉店から数か月経ってから多くの人に訊かれたものです。
当時の宮脇のブックカバーです。
ああいう大きな道路沿いの書店は、レンタルビデオや、CDの販売とセットのお店もありましたし、喫茶店とセットというお店も80~90年代は多くありましたが、今はほとんど消えてしまいました。若者の車の所有者も減り、もう今後増えることはないでしょう。町がどんどん寂しくなって行きます。