「オール読物」9月号に掲載されたビートたけし氏の小説200枚。
1960年から70年代中頃までのキャバレーブームの中、新宿歌舞伎町のキャバレー「ナイトクイーン」を舞台に繰り広げられる客と芸人にやくざがからむ日常を克明に描いている。
特に、漫談家「綾小路きみまろ」の下積みからデビューまでを追った(芸人の)裏話は、日頃、見聞きしないエリアだけに新鮮で面白かった。
また、物語の進展に伴う(書き手の)感情の高ぶりもなく、淡々とした筆致も好感がもてた。
蛇足~この「オール読物」9月号。直木賞発表「島本理生~ファーストラヴ」とあったので、直木賞がこれで読めるのかと購入したら途中で終わっていて、後は単行本を買って読めという。後味の悪い思いをした。