藤沢周平氏の「日暮れ竹河岸」が残り少なくなったので、中国に飛び立つ前に、羽田(国際)空港の売店でこれを購入した。
池波氏の人気シリーズ「鬼平犯科帳」の主人公で、「火付盗賊改方」トップであった長谷川平蔵にスポットをあてた作家8人による競作短編集。文春文庫395頁。
物語は、火付け強盗などの極悪人グループと江戸幕府の専門警察との知恵比べと言った内容なのだが、藤沢ものが人生の機微を描くのに対し、こちらは手練手管が中心で、それ以上でも以下でもないエンターテイメント小説。
言わば、知的遊戯を楽しむの体だが、その点、巻頭に置かれた逢坂剛氏の「せせりの辨介」が面白かった。