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LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第15回福岡ミーティング行いました。

2015年02月13日 | ミーティング
第15回福岡ミーティング報告 
1月18日、福岡ミーティングを開催しました。

午前中は、行政書士で、レインボーサポートネット代表の中橋優さんから『知っておきたい!LGBTのこと』~相談事例からわかる、LGBT当事者の苦悩と制度的問題~というテーマで講演をしていただきました。知っておきたい内容がたくさんあったので、少し紹介します。

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国際的な動向としては、同性婚制度やパートナーシップ制度の増加がみられますが、国内では、制度化までには多くのハードルがあります。しかし、LGBTの認知度が広がり、カミングアウトをする当事者やセクシャリティにこだわらない若者も増えています。その中で、LGBTとして自分らしい生き方を模索する人たちも増え、多くの様々な相談が寄せられるようになってきたそうです。
1. 同性婚、同性パートナーシップ制度について
『男女の結婚』と同様の法的関係を築きたいカップルの増加がみられる。
○戸籍上のつながりのためには・・・養子縁組制度
 戸籍上のつながりとして「養子縁組制度」の転用があります。しかし法律上は親子関係になるので、双方の親・兄弟にも関係がおよぶこと、また将来同性婚が可能になった場合に養子縁組を解消して結婚することはできないなどのリスクがあります。また、遺産相続で、多くの困難な問題が生じてくることもあるので、この制度を利用するのは慎重にということでした。
○相続権の創設のために・・・遺言書の作成
 自筆での遺言書は、死後、様々な問題が発生することもあるので、公正証書遺言を作ることがおすすめだそうです。公正証書遺言は、公正役場で比較的簡単に作ることができます。現在入っている「同性パートナーを受取人にできない生命保険」の受取人変更も遺言書でできます。
○療養看護の管理のために・・・任意後見契約(移行型)
 どちらかが入院したり治療方針を決めたりするときに、家族以外は関わることができないということが多々あります。そんなときのために、元気なうちに『任意後見契約(制度)』によって、後見人を指名することができます。これも、公正役場で公正証書を作る必要があります。最近、この制度を利用する人が増えているそうです。
2. 子どもについて
○実子がほしいと願うLGBT当事者の増加
 生殖医療の進歩により、国内だけではなく海外へ渡航する例も増えています。しかし、戸籍上の父親、母親は誰なのかという問題があり、当事者の思いが十分反映される結果にはならないことも多いそうです。
○特別養子縁組、里親制度
 LGBTの家庭で育てていく環境が、子どもにとって幸せと感じるものになっているのかと問われますが、これは、社会全体に問われている大きな課題でもあります。個人のポリシーがどうかという「家族観」の問題ではなく、『選択肢』そのものが今の日本にはないことが問題ではないでしょうか。憲法13条「幸福追求権」。自分の幸せを追求できない環境が問題です。「うちの家族はパパ(ママ)ふたりだよ。」といろいろな家族があって当たり前という社会を作っていかなければなりません。私たちひとりひとりの課題でもあります。
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日々対応しておられるご相談の事例をうかがいながら、社会の意識がもっともっと前進していかなければと強く思いました。
Webマガジン:Junk Stageの中の レインボーノートのサイトで相談の具体例やセクシャルマイノリティの制度的問題などについて、中橋先生の書かれた記事を読むことができます。そちらもご覧になってください。
また、レインボーサポートネット(http://rainbow-support.net/)でも相談を受け付けておられます。 

午後からのミーティングには、初めて参加された方も多く、様々な悩み、意見が出されました。
 
お子さんからGIDだとカミングアウトされたお母さんは、親戚や世間から否定されたり拒否されたりする可能性があると分かっていても、事実を公言しようと子どもさんと一緒に決意したと語ってくださいました。今まで気づいてあげられなかった、何もしてあげられなかったから、少しでも力になってやりたいという親としての思いが伝わってきました。拒否する人ばかりではなく、支援に回ってくれる人もいると信じて、親子で一緒に一歩踏み出す決意で今回のミーティングにも参加されたそうです。
 わが子がセクシュアリティのことで悩んでいるのではと思いながらも、話してくれないし確かめることもできず、心配でたまらないと、心の内を語ってくれたお母さん。「親をうっとうしいと思う時期もある。でも、何があってもあなたの味方という思いを強く持つことが大事。必ず伝わりますよ。」「この会は色んな悩みを出す場でもあるんですよ。一人で悩まないで、みんなで考えていきましょう。」そんな参加者からの声に少しホッとされたようでした。
 一方で、「世間の目が気になるので、地元ではカミングアウトしないで」「控えめに活動して」などと言われているという方もいました。社会は変わりつつあるが、まだまだ課題も山積みしています。
 ある当事者の方からは、自分のセクシャリティへの概念や知識がなかったことが人生を狂わせ、苦しみを生む原因になった。もし知っていたら、もっと違う人生を歩けたのではと話されていました。
自分が何者なのか分からず悩んでいる。自分らしく生きていくにはどうしたらいいのか。そんなぎりぎりの悩みを抱えながら参加された方もいらっしゃいました。
今日のミーティングに参加したこと自体が次につながる希望だとおっしゃったお母さんの言葉は、参加者みんなの思いだったと思います。
 
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