2023.4.2 渋谷区にて開催
つなぐ会には、家族から子どものセクシュアリティについての相談が多い。
けれども反対に、当事者の子どもから家族についての相談も多い。例えば、
カミングアウトはどういう方法がいいの?
カミングアウトされた親の気持ちってどうなの?
好きになった相手がトランスジェンダーなので親が猛反対して困った、
同性のパートナーがいて私はHappyなんだけど親は理解がない、
私のセクシュアリティが原因で苦しんでいる親にどう対応すればよいのか、などなど。
30代以上の当事者の相談の場合、親はシニア世代。この世代の理解率は低い。そもそもLGBTQの概念を学んできていないし、男女二元論に疑いを待たず半世紀以上生きてきているので理解が難しい。たとえ柔軟思考の持ち主で理解できたとしても、家族、親族、友人皆旧世代の為、理解を共有しづらいという難点がある。この世代の親にとって一番の難点は、この問題を共有理解する仲間が身近にいないということだろう。
したがって理解は遅れるし、たとえ認知、理解したとしても誰にも打ち明けられず、悶々としている。クローズ派が多く精神的に参ってしまう親も多い。
その辺り、つなぐ会の各拠点が仲間づくりを担っていく必要がありそうだ。
ただ、シニア世代はSNSに疎い方が多く(同様に、スタッフもITを使いこなせる力量に乏しい)、対面か電話でしか応答できないと言われることも多い。この年代とどう繋がり、親同士の輪を拡げるか。なかなかいい案が見当たらない。
親が理解していればセクシュアリティの偏見はなかろうし、受容する親のもとでは子どもは自己肯定感をもって育つので、学校や職場等で何かあったとしても乗り越えていくことができる。差別と偏見が今なお潜む社会の中でストレスフルな日常を送るセクシュアルマイノリティにとって、安心安全な家庭は癒しの場となる。
だからつなぐ会は、親への啓発と親同士の繋がりを重要視している。それがLGBTQ+の子ども、若者も交えて当事者たちのいのちを守り未来を創ることになるからだ。親にとっても、我が子とセクシュアリティが原因で疎遠になることは不測の事態だろう。どんどん年老いていく親にとって、結果的に寂しさだけが募る。そうならない為にも、親は子どもの声に耳を傾け、LGBTQ+の学びを始めてほしい。それは親にとっては新たな価値観との出会いとなり、今まで見えていなかった世界の扉を開くことになるのだ。
何といっても、我が子との絆がより深くなること間違いなし! M