不機嫌な恋人 (講談社文庫) | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
平安時代の男女の恋愛を描いたこの一作。
引く手あまたの小侍従が恋人に選んだ年下の少将。自分で仕掛けた恋愛の筈だったのに少将が他の女性を見つめだしてから。
聞き分けのいい年上の女を演じながらも内面のドロドロ。
そして、そんな小侍従に甘えて他の女性との熱愛をペラペラ~ペラペラ~ペラペラ~しゃべるあほんだら少将。あ、すんません、私の本音が。
私はこの少将に殺意が芽生えたね。
呪い殺されればいいのに。※そんな展開の話ではありません。
この年上女と年下男の“生産性のない”“未来がない”関係。
もぉ、やめたらいいのにっ!!と叫びました。
ああ、痛い。痛いなあ。
というか田辺さん、ほんとスゴイ。なぜ、こんなリアルな感情を小説として描けるのか。
30年近く前の書かれた小説がぐっさりぐっさりと私の古傷をえぐるのです。
いやいや、そんな話ではなくて。
そして、小侍従の姿には共感の上、かくありたいと思いました。
平安時代の風俗もたっぷり。香りたつ空間。それと生々しい恋と嫉妬。
お・も・し・ろ・い。