七世竹本住大夫 限りなき藝の道 | |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
9月にこれと大阪市大での「義経千本桜」に関する講義本を買っていたのに長らく放置。
なぜ、私は先月の文楽鑑賞までに読んでおかなかったのでしょう!
この本、分厚さのわりにあっという間に読めました。
フランス文学研究者であるおじさまの竹本住大夫師への“ジュ・テーム”が、ぎっしり詰まった一冊でございます。住大夫さんがいかに素晴らしいか!を余すところなく語る語る。
私、途中で出版社確認したもんね。あまりの熱の入れようにどこの出版社からでてるんかと(講談社です)。
熱い、熱いよ。強烈な住大夫さんage、他の太夫さんsage。
でも、文楽研究者ではないだけに読みやすいんですよね。
いかに「と」の発声が大事で住大夫さんがどれだけの背景を持って語っているのか微に入り細に入りの義太夫研究。感服です。
ああ、私はここまで聞かなあかんかったか。
ああ、私はここまで語れるか。…それは違うな。
巻末に住大夫さんと野澤錦糸さんのインタビューも収録されています。
いかに文楽に関わる芸が深いかという一旦が伺いしれます。
現在、88歳の住大夫さん「あの世に行っても稽古せなあかん」と言われているそうです。
義太夫の芸が熟成するのは、それこそ60歳を過ぎてから。とんでもない芸能です。
私は住大夫さんに間に合ってよかったなと思いますもん。
この本、引用して紹介したい言葉がいっぱいあるんですが、それはまたおいおい。
「軒付け」の役作りの参考になりました。←その前に音階を覚えろ。