福寿草 冷たき朝に 輝きぬ
馬糞 Bafun
福寿草といえば、雪の上に花だけを咲かせる不思議
な花である。
昨年、長野から福寿草の鉢を取り寄せてしばらく楽し
んだ。
しかし、暖冬の博多には育たなかった。
寒さの厳しい雪国の希望の花なのだろう。
希望とは、逆境に耐えて努力する者に与えられる光で
ある。
今年の冬も、大して寒くもなく過ぎようとしているが、
人生の冬は、温暖化などしてはいない。
希望の光は、福寿草のように輝きだす。
雪を割ってあふれ出る。
早春の希望の光である。
【哀れな青年に贈る】
努力もしないで退転していった哀れな青年よ。
その先に、希望などありはしないものを。
退転とは、福の神を離れることをいうのだ。
哀れな青年よ。
不幸はお前だけでは終わらない。
不幸とは疫病のように感染して行くというのに。
それとも、お前一人で生まれ育って生きてきたとでも
言うのか。
お前の恩ある人たちを苦しませ、悲しませる不幸を
その人たちの責任だとでも言うのか。
お前に退転する権利などないのである。
死んだほうがましだというか。
死を望むなら、
試練と戦って討ち死にするほかはあるまい。
命を張って、名誉の戦死を遂げてみよ。
哀れな青年よ、
お前には、英雄になる道しか残されてはいないのだ。
それがお前に下された罰であり、慈悲である。
福寿草 冬をもたげて 雪を割り
馬糞 Bafun
人生の冬に生きる人々よ、
早春の花を咲かせよう。
希望の花をさかせよう。
希望は、冬に与えられる特権である。
人生の冬こそは、希望の人生にほかならない。
梅士 Baishi