ザリガニを撮りに長浜へ

昨日は、ザリガニを撮りに北陸本線の長浜まで行って来た。
もちろんザリガニと言っても池や川に生息するアレではない。
この場合のザリガニとは、線路上を除雪するラッセル車の事である。
言われてみれば、何となくそう見えるでしょ？

11月に入り山陰や日本海側の各線区でラッセル車の試運転が始まった。
昨日撮りに行ったのは、敦賀機関区に所属するDD1510である。

何年も前からこのDD15を撮ってみたくて機会を窺っていたのだが、なかなか都合が付かずにズルズルと時間だけが過ぎてしまった。
しかし、今年こそはという思いで、半月ほど前から予定を組んでいたのだ。

で、いざ当日。
天気予報は芳しくない。
実際、朝の内は雨が降っていた様だ。

雨や曇りで走行シーンを撮ってもパッとした写真にはならないだろう。
そう考えて、15分の停車が設定されている長浜駅でジックリ撮ってみる事にした。

長浜駅には30分ほど前に到着。
空は雲で覆われていた。
しかし、次第に雲に切れ目が現れ、時間と共に青空が覗く様になってきた。

入場券で駅へ入りホームで待つ事暫し。
13時3分。時間通りにラッセル車がやって来た。
色褪せている事は知っていたが、実際に目の当たりにすると思った以上に色が薄い。
廃車待ちだと言われれば思わず納得してしまいそうな色合いである。

停車時間はタップリとある。
雲の切れ間から時折顔を覗かせる太陽にタイミングを合わせ、晴れ持ちしながら撮ったのがTOPの画像だ。

さて、とりあえず目的は達成できた。
だが、曇るだろうとの想定で駅撮りを選択したのだ。
にも関わらず、順光で撮れてしまうほどの好天である。
これはこのまま撤収する訳にはいかないだろう。
と言う訳で、米原で折り返して来る復路の試運転列車を狙う事にした。

撮れそうな場所を探しながら河毛～高月間まで移動してカメラをセット。
青空が覗いているとは言え、まだまだ雲も多い。
上手い具合に晴れてくれるかは運次第だ。

列車の通過まで後およそ5分。
今は綺麗に晴れているが、太陽を完全に隠してしまうほどの大きい雲が流れて来ている。
この雲に隠れてしまったら、その後当分太陽は姿を現さないだろう。

ヤバイぞ…　

雲の動きを目で追いながら予測する。
ダメだ。後5分は持たない…　

半ば諦めの覚悟を決め、曇り用の露出に変えようとしたその時だ。
遠くにラッセル車の姿が見えた。
予想していた時間より3分ほど早い。

イケル！　今ならイケル！！

早く来い！
祈る思いで列車を待つ。
そして…

太陽に照らされてファインダーの中をラッセル車は通り過ぎた。


その直後、太陽は雲の中に姿を隠してしまい、撤収するまでに再び顔を見せる事はなかった。

初めて撮ったDD15。
しかも、天候の安定し難い湖東の地で、この条件で撮れたのだ。
決して安くはないガソリン代と高速代を使ってまで来た甲斐があったというものである。

色褪せた姿は残念だ。
だが、撮ってしまいさえすれば、それはそれで良い記録となる。
もしまた撮る機会があるのなら、今度は綺麗に塗り直された姿を撮ってみたいものである。