浪漫飛行への誘(いざな)い

海外旅行は102か国、海外旅行、世界遺産、飛行機、卓球、音楽、歌謡曲、初物、語学、仏教シリーズ等の趣味の世界をブログに

年金受給75歳までの繰り下げは大きな落とし穴

2022年04月01日 06時56分42秒 | マネー

 

4月1日より、年金繰り下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられ、受給開始時期を60歳から75歳の間で自由に選べるようになった。基準を65歳として、繰り下げた月数によって、1月あたり0.7%増額されるという。75歳だと10年(120ヵ月)繰り下げることになるので、実際の年金額は84%アップするという。具体例でいうと、年金額180万円の人が、65歳から75歳まで受給を遅らせた場合、84%アップになるので、75歳からの年金額が331.2万円になるという試算である。

これは、積み立ての年金額が厳しいこともあり、年金額を上積みするので、働ける人は75歳まで働いてほしいという政府側の希望であるが、この施策は大きな落とし穴がある。上積み額に目がくらみ、75歳まで繰り下げたらとんでもない目にあう可能性がある。日本人の平均寿命は、男性81.64歳、女性87.74歳(2020年データ)であり、人生90年時代などという言葉も飛び交っているが、日本人の健康寿命は、男性72.68歳、女性75.38歳(2019年データ)にすぎない。 健康寿命とは、健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを言うので、我々が参考とすべき数字は、平均寿命ではなく、健康寿命である。

男性の場合、健康寿命は、72.68歳であるから、75歳から年金をもらうということは、すでに日常生活が健康上の問題で維持できない状態になっていることを意味する。多額の年金をもらっても、旅行に行ったり、趣味の活動も行なったり、要するに自由人として好きなことをやるには年を取りすぎているのである。年金は医療費に消えていくだけである。

自分の場合は、60歳から年金をもらい始め、すでに15年近くもらい続けて、運よく自由人として充実した活動ができているが、健康寿命の年齢も超えてしまったので、いつ何時日常生活が制限されることになるかも知れない。振り返るならば、60歳でも遅すぎた感があり、理想的には、55歳位でリタイアして自由気ままな生活に入ることが望ましい気がする。75歳まで働き続けるなんて問題外である。仕事が自分のやりたいことで、自由人としての趣味等好きな活動が文句なくできている人ならいいが、そんな人はほとんどいないのではないか。

自分の経験では、仕事の制約から解放され、まだ元気で好きなことがやれるのは、60歳から70歳位までではないかと思う。そんな人生で一番楽しい時期を無駄にして、働き続けるなんて信じられない。自分の場合、60歳でカナダの大学へ留学し、海外旅行も、60歳までは59ヵ国にとどまっていたが、60歳以降に、新たに43ヵ国(29回の海外旅行)も訪問することができ、合計102ヵ国もの海外旅行を楽しんできた。時間的余裕があるので、おかげさまで、旅行の他にもHPの作成やブログの更新、ユーチューブの作成や趣味の卓球やテニスと忙しい日々を送っており、正直言って仕事をする暇がないのである。自分史もほぼ完成し、終活も順調である。60歳以降も働いていたら、自由人として好きなこともできなかったはずであり、60歳から受給して大正解であった。

政府は、年金増額をちらつかせて、75歳受給を推し進めるかも知れないが、その誘いに乗ったら、とんでもない大きな落とし穴に落ちる可能性が大である。もらう頃には、恍惚の人になっているか、日常生活が制限さているか、すでに亡くなっているかの可能性が大である。お金は使うものであり、いくら貯めても、死を迎える時は、あの世に持っていけないのである。仏教でも、お金や財産、地位、名誉、健康、家族はじめこの世で得たものはすべて「相対の幸福」に過ぎない。この世に生を受けた時から、大海原に放り出されたようなもので、大波小波に翻弄されるとつらいので、近くに浮かぶ丸太や板切れにすがらずにはいられなくなる。せっかくしがみついても、浮いているので、不安定でいつ放り出されるかわからない。そんな大海で溺れながら、「どう生きるか」「泳ぎ方だけを覚える」では「絶対の幸福」は得られないとブッダは説く。そんな大海にも「大悲の願船」があり、それに乗れば弥陀の浄土に行けるという。仕事ばかりに時間を費やすのではなく、60歳以降は、「なぜ生きる」かを探求し、後生の一大事の解決に時間を割くのもいいのではないかと思う。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「キエフ」の表記を「キーウ... | トップ | 品川区内の桜の名所50選 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マネー」カテゴリの最新記事