5月14日(木)
私は50歳代半ばで胃ガンを発症し胃の三分の二を切除した。その後抗癌剤治療も受けたりしたが、その時は死神が隣の部屋まで忍び寄ってきたような気分だった。
まあその後再発もせず現在に至るのだが、その時強く思ったのは、「もし60歳まで生きていたら、その後の人生は好きな事だけやろう。」というものだった。私の好きなものとは、登山、テニス、マラソン&世間体を考えて読書、の類である。
実際60歳過ぎたらそのような生き方をしてきたのだが、毎日が日曜日の日々を過ごしているうちに、ある事に気付き始めた。それは「好きな事楽しい事ばかりやっていると、その楽しみ喜びが薄らいでしまう。」という事だ。
例えて言えば、「高級食材のウニやアワビ、ビーフステーキも、毎日食べ続けたら美味しくなくなってしまう。」と言えばお判りいただけるであろうか。好きなテニスだって、錦織 圭じゃあるまし、毎日やる程の熱意は無い。
そう「人生とは嫌な事があってこそ、好きな事がより深く実感できるのだ。」というマイ人生訓に気付いた。私が遺跡発掘の仕事を始めた要因も正にそこで、仕事という「嫌な事があれば、好きな事がより深く味わえる。」と考えたのだ。
あくまで好きな事がメインだから、募集案内で「週四日以上」となっていたのを強引に週三日で採用してもらった。そして働き始めたら休日が待ち遠しくなり、テニスや登山ができる喜びが増した。でも体力的・時間的にマラソンまでヤル余裕が無い。もう一日休みを増やしたいところだが、それを言ったら確実に首になる。来月以降現場が縮小される噂があり、事実ならば人員整理があるだろう。それを望む思いもあり、そんな節操の無い自分がちょっと情けないところだ。