10月6日(木)
クリント・イーストウッド監督の作品は好みなので、彼の映画は欠かさず観ている。今回封切りされた「ハドソン川の奇跡」も楽しみに待っていた。この映画は2009年ニューヨークで現実に起きた旅客機不時着事故をモデルに作られている。
実際の事故では困難な胴体着陸に成功し、乗客乗員全員の命を救った機長は英雄と讃えられた。映画の中でもトム・ハンクス演ずる機長は事故直後には英雄と称賛されるのだが、その後事態は思わぬ方向へ向かう。
事故原因を追究する航空事故調査委員会は、「再現シュミレーション等の結果から事故機は空港へ引返す余裕があり、不時着を選択した操縦者の判断は誤りであったと機長に疑いの矛先を向ける。
英雄から一転過失責任を問われパイロット生命を絶たれる窮地に追い込まれた機長だが、公聴会の席上でシュミレーションの矛盾をつき最終的に彼の行動が正しかった事が証明される。
最初から最後までドキュメンタリー映画を観ているような緊迫感が途切れず、スクリーンから眼が離せなかった。映像も実にリアルで実写と見紛うばかりの迫力だった。クリント・イーストウッド作品はどれも面白いが、この映画はそれらに勝るとも劣らぬ秀逸な出来栄えと感じた。今年観た中では文句無し一番満足した映画だった。