妻(女優の吉田羊さんと同じく年齢非公開)が、?十?回目の誕生日を迎えた。高齢者の誕生日など、あの世へ逝く日が近づくだけで何にもめでたく無いと以前は思っていた。
しかし日本人の健康平均年齢を超える齢になったら、この齢になるまで元気でいられた事に感謝する意味で、若者より高齢者の誕生日こそおめでたいのではと最近考えが変わった。
妻は誕生日祝いに、京料理の老舗「南禅寺瓢亭」で食事がしたいと言う。さっそくネットでお店に予約したが、ランチだけで1万円札が数枚吹っ飛ぶ料金に少しばかり気持ちが引いた。しかし5カラットのダイヤモンドとか、世界一周の船旅に、何て言われる事を思えばお安いもんです。
予約当日、南禅寺瓢亭日比谷店へ向かった。お店は、東京丸の内近くの東京ミッドタウン日比谷ビル3階に在る。東京駅界隈は、大手町ビルで自衛隊のコロナワクチン接種を受けて以来久しぶりです。
丸の内口から外へ出ると、東京駅から皇居へ向かう道が物々しい警備体制になっている。警備中の警察官に理由を尋ねると、「某国の大使が天皇陛下への就任ご挨拶で、この道を通過する為」だとか。
東京駅丸の内口
丸の内の洒落たオフィス街を通り抜けて、東京ミッドタウン日比谷ビルに着いた。ビルの中には一杯飲み屋から一流料理店、その他いろんなお店に映画館まであって、避暑がてら此処でノンビリ過ごすのも悪くないかも知れません。
まるでパリのシャンゼリゼ通り(行った事無いけど)みたいな丸の内仲通り
仲通りに設置された日本ラグビー元主将リーチ・マイケルの像
東京ミッドタウン日比谷ビル前
ビル地下1階外階段のミストシャワー
ビル1階でアサヒビールが期間限定の立飲み酒場を営業していた。
6階パークビューガーデンから皇居方面の眺め
お昼前にお店へ入り、料理する板前さんと向かいあうカウンター席へ案内された。南禅寺瓢亭は京都で操業四百年余の由緒ある懐石料理のお店、「どうぞお寛ぎやす」と言われても、普段の殆ど数百円のお店しか行かない私は場違いな所へ来たようで、何となく椅子の座り心地が落ち着かない。
京懐石料理、南禅寺瓢亭日比谷店
出されたお料理の一品一品は、どれもが見た目も綺麗で美味しくて贅沢なひと時を過ごせました。ジャンクフードに慣れた私ごときの舌で、料理についてのウンチクを語るのは、猫に小判なので止めときます。
「家の近所の和食店「松善」だったら此処の30分の一の値段で、焼魚定食&生ビールが飲めるな」何て計算がチラッと頭を掠めたが、でも妻が嬉しそうに食事をしているから、ケチな料簡はゴミ箱の中へ捨てときましょう。
食事を終えてお店を出る時、女将さんが「またお越しやす」と笑顔で言って団扇をくれた。「こんな所へしょっちゅう来てたら、お金が幾らあっても足りんへん」という本音は内に留めて、「どうもご馳走様でした」と笑顔で応えてお店を後にした。
お土産にもらった団扇
我々夫婦は、後どれぐらい誕生日祝いを迎えられるのだろうか。今日は妻が喜んでくれたから、楽しく有意義な誕生日会食だったのではと思います。