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北海道新聞本日付け日刊紙
「君の椅子プロジェクト」は自治体が新生児の誕生を祝って、木製の椅子を贈るというもので、道内発の取り組み。「君の椅子」は、その年に生まれた子どもに、家具職人が手掛けた小さな木製の椅子を贈るものです。
これは2005年に旭川大大学院の客員教授だった道文化財団理事長の磯田憲一さんがゼミの院生たちと考案したもので、2006年に上川管内東川町が取り組みを始め、現在は上川管内5町村と長野県売木村が加わっています。
この度、東京電力第1原発事故で一時全村避難を強いられた福島県葛尾村が加わり、13日に葛尾村で協定締結式が行われたとのことです。
全村避難の後、16年6月に帰還困難区域を除いて避難指示が解除されたものの、被災前に約1570人いた村民のうち、村に戻ったのは高齢者を中心に約2割。
「原発事故で古里を奪われた。地域全体で子どもの誕生を祝う君の椅子で、優しく柔らかな地域の絆を取り戻したい」と締結式での篠木村長の言葉は重く、
「命の誕生はこの村の未来。過酷な状況に置かれた村が君の椅子に思いを重ねていただきうれしい」との磯田代表の言葉も胸に響くものでした。
この村では3月30日に男児が誕生し、6月に「君の椅子」第1号が贈られると記事は締めくくられていました。
小さな木製の椅子は贈られた子どもたちの心に、自分は大切な存在なのだということをしっかり刻むことでしょう。