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札幌大谷大学大谷記念ホールで、いわさきちひろの息子さん、松本猛氏の講演会がありました。18時から19時45分までの1時間45の講演でした。
子ども達が数人描かれた1枚の絵について、モデルは幼稚園時代の猛氏とそのお友達だということ。ちひろは一人一人に声をかけながら、その子の特徴や好みなどを引き出しながら描いていたとのことです。暖かな人柄と絵に向かうプロとしての姿勢が偲ばれました。
猛氏ならではのエピソードを他にも多く伺うことができました。
ちひろが宮沢賢治の作品やその生き方に心を寄せていたことも話されていました。
花や木、石、川、風などすべてのものに命があると感じていた賢治に共感を持ち、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という賢治の想いに強く惹かれたというちひろ。今年は彼女の生誕100年に当たるそうです。
北海道新聞1月9日付のコラムには、「どんどん経済が成長してきたその代償に、人間は心の豊かさをだんだん失ってしまうんじゃないかと思います」と死の2年前に語ったというちひろのことばが掲載されていました。
賢治が自然から遠ざかる人間の行く末を危惧していたことと同じ内容だったことに驚きました。
そして、今、二人の危惧していたことが、だんだんあからさまになって目の前に繰り広げられているように思えます。