透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

野幌森林公園・昭和のカツラと蝶

2018-06-16 22:13:37 | 日記

曇りのち晴れ。最低気温9.7℃、最高気温17.8℃。

野幌森林公園は、札幌市・江別市・北広島市の3市にまたがる野幌丘陵に位置しています。面積は2053ha。1968年(昭和43年)に北海道百年を記念して道立自然公園に指定されました。

 この森林は、もともとは御料林の一つ。ところが、1892年(明治25年)、御料林から北海道庁に払い下げる計画が持ち上がり、これに異を唱えたのが、北越殖民社の実質的な代表だった関谷孫左衛門とのことです。

1899年(明治32年)には、広大な御料林は分割され、市町村に基本財産として払い下げられ、農地に変えられていきました。

そのような動きの中でも孫左衛門は諦めず、広島から入植した集団の代表者である和田郁次郎や屯田兵村の関係者と協力して森を残す運動を展開しました。この運動が功を奏し、1908年(明治41年)、3400haが林業試験場に指定され、入植地とならずに済みました。その後、第二次世界大戦後、一時、戦後開拓者の鍬が入りますが、1968年(昭和43年)に北海道百年を記念して道立自然公園に指定されることになりました。2053haの面積を確保できたのです。

 

心ある先人たちの行動により、開拓から免れることができた野幌森林公園。大都市近郊ながらまとまった面積の森林が残され、水資源が保障され、また、様々な動植物を観察したり、鑑賞できる環境が残されました。

開拓があったからこその今と開拓されなかったからこその今が、どちらも今の生活を支えているのだと思うと、少し複雑な気がしています。

北海道公式ウェブサイト(最終更新日:2016年9月07日)および開拓の村学芸員さんによる資料参照。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする