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先日、静岡から新茶が送られてきました。知人の奥様の実家がある菊川市近くの茶園で摘まれた「八十八夜新茶」です。今年は、5月1日が八十八夜。この時期に摘まれた新茶は滋養となる成分が多く、味も香りも優れているとのこと。古来より延命長寿の縁起ものとしても珍重されてきたそうです。
さっそく、急須に湯を入れ、茶葉が開くまで待って、ゆっくり茶碗に注いでみました。淹れたての新茶は薄い緑色で、良い香りが立っています。口に含むと特有の甘さとほろ苦さが程よく溶け合っていました。新茶の効能を思い受かべつつ、じっくり味わいながら飲み終えたところです。
ネットをのぞくと、新茶を詠んだ俳句30選というブログを見つけました。その中から10句を。
新茶の俳句 30選
「新茶」が詠み込まれた俳句を集め、句の文字の五十音順に並べました。新茶は「走り茶」ともいわれることがあり、俳句において夏の季語として扱われます。
〇青新茶 土間にこぼして はかりけり
【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)
〇生きてゐる しるしに新茶 おくるとか
【作者】高浜虚子(たかはま きょし)
〇入れ方を 問うて新茶で ありしこと
【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)
〇宇治に似て 山なつかしき 新茶かな
【作者】各務支考(かがみ しこう)
【補足】宇治茶(うじちゃ…緑茶)は、静岡茶、狭山茶とあわせて日本三大茶といわれています。
〇白湯染めて 新茶の味と なりにけり
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
【補足】白湯(さゆ)とは、何もまぜない湯のことをいいます。「お茶」などに対する言い方です。
〇さら~と 溢るゝ新茶 壺の肩
【作者】百合山羽公(ゆりやま うこう)
【補足】「溢るゝ」「壺」の読み方は、それぞれ「あふるる」「つぼ」です。
〇サラサラと 和尚がこぼす 新茶かな
【作者】前田普羅(まえだ ふら)
【補足】和尚(おしょう)とは、寺院の住職や僧侶のことをいいます。
〇白糸の 鳴りて封ずる 新茶買ふ
【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)
【補足】お茶の量り売りでは、お茶の袋を封じるのに白い細紐が使われてきました。
〇新茶淹れ しばらく心 遊びけり
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)
【補足】「淹れ」の読み方は「いれ」です。
〇新茶いれ ひとのよろこびごと 妻と
【作者】山口青邨
〈ジャパノート -日本の文化と伝統を伝えるブログ-〉より