さて、Tシャツです。
比較的安価で、個性の演出が幅広くでき、他のウエアと組み合わせも自由自在。そんな便利なアイテムなのだけど、いざお気に入りの一品を見つけようとすると、これがなかなか難儀なのです。
意味のわからない英語の羅列してあるノーブランドTシャツなんて着るくらいなら、いっそユニクロの無地Tのがまだまし。じゃあお気に入りのアーティストやキャラクターのTシャツで個性的に決めるぜ!と意気込んでも、これが案外難しく、というのも、どうだ俺こんなすげえアーティスト(キャラクター)のファンなんだぜ、とあからさまにアピールして周囲にひかれている輩と同類に見られたくないからで、かと言ってあまりにおさえたデザインだと結局もとの木阿弥になってしまいます。
ちょっと人の目を気にしすぎかなあ。でも、正直なところ、ライブやイベント以外でそういうTシャツを着ている人を見ると、少々いたたまれなくなります。ましてや、携帯ストラップなんかに好きなバンドのストラップをつけて自己満足にひたったり、あえてかわいい系キャラのそれをつけ女の子受けを狙ったり、静電気除去のストラップをつけて話題のタネにと目論む輩なんて、もう最低だと思うのですよ。あ、俺か。
そこで目をつけたのが沖縄Tシャツです。そこにはこじつけなどではない、確固たる理由があります。
沖縄は暑い。ゆえにTシャツがメインになる時期も長い。ていうかほぼ365日です。
そして、米軍や、過去の貿易国家時代のなごりから、あらゆる文化がごちゃまぜチャンプルーになっているため、独特のセンスが発達しています。わかりやすい例をあげるなら音楽シーン。ORANGE RANGEをはじめ、HY、MONGOL800、HIGH and MIGHTY COLOR、COCCOらを輩出してきた土壌の洗練されっぷりは説明不要でしょう。
でもって、都市部などと比べると提供される娯楽が少ないので(失礼な意味に聞こえたらごめんなさい)、自らなにかを創り上げようとする意思が過剰にあふれまくっているのがビンビンに感じられます。こと芸能や美術関係に関しては、他の地の追随を許さないレベルです。沖縄にまだ自腹で2度しか行ってない三十路に手が届きそうな低学歴低賃金の社会的信用度皆無な独身男はそう感じます(ていうか今即興で分析した)。
ただ、沖縄のTシャツ屋が全てセンスがいいかといわれると全く逆で、どうしようもないショップの方が圧倒的に多く、というのも、ほとんどが観光客向けのベタなTシャツしか売っていないのです。観光立県だからしゃーないて言えばしゃーないのだけど。
しかし、そんな有象無象の駄店(や、観光土産屋としては最高。念のため)をかきわけると、まれに点在するのはまさに宝の山。先にあげたアピール度の絶妙なバランスと、独特のセンスにあふれたTシャツがたしかに存在します。
僕が毎回行くようにしているのが、ウチナンチュには定番のTシャツ屋ドットコム。大小20近くの沖縄Tシャツブランドの商品を扱い、コテコテ沖縄チックなものから、よく見ないとわからないもの、微妙な塩梅でハズしているもの、伝統工芸調のもの、社会風刺もの、パンチのきいたもの、直球ど真ん中なもの、あらゆるTシャツが揃っている。諭吉っつあん1枚じゃ到底足りない物欲に見舞われること必死です。
今後、恐らく僕が着用するTシャツの9割は、年に一度訪れる(予定の)沖縄で衝動買いしたものになるでしょう。昨年もン万円分買ったしな。安給料のくせに。うるさい。
新しい沖縄土産の定番として、センス過剰にあふれる沖縄Tシャツはいかがなもんだしょ。ご検討あれ。