(前の記事からの続き)
妄想性パーソナリティ障害の人と 付き合うときは、
適度な距離を保ち、 深い感情移入を 避けることが必要です。
親密な関係になると、 逆説的な反応が起こってきます。
トラブルが起きても、 決していさめようとしたり、
闘おうとしてはいけません。
頭を下げて、 法的な力に 助けを求めることです。
関わるのが逃れられない場合は、 中立的な立場を維持し、
目立たない存在で あり続けるのが賢明でしょう。
偏執的なエネルギーというものは、
抵抗勢力がなくなると 案外萎えてしまうものです。
相手を力によって 支配しようとしても、 心を支配することはできません。
逆に 相手の気持ちを 尊重しようとすれば、
求めなくても 周囲から大切にされるでしょう。
それがこの障害の 回復へのポイントです。
このタイプの人が示す、 他人の言動の裏まで 読み取ろうとする傾向は、
他者の気持ちを 鋭敏に察知し、 気配りする能力に通じます。
実際、 交渉や政治的な駆け引きに 長けていることがあります。
法曹関係や役人, 管理職, 政治家に向いています。
妄想性パーソナリティ障害の人の 権力指向は、
父親に愛されなかった、 あるいは 恐れていたことに由来しています。
愛という 不確かなものの代わりに、
秩序や階級, 法というものに 関心を示すのです。
非常に 反抗的にもなりますが、 強い忠誠心を抱きます。
仕える相手を 間違わなければ、 ひとつの長所となり、
厚い信頼を勝ちえます。
妄想性パーソナリティ障害が回復して、 バランスを取れるようになった
「妄想性パーソナリティ・スタイル」 については、 下記をご覧ください。
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48153669.html
〔 「パーソナリティ障害」 岡田尊司 (PHP新書) より 〕