( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/46975546.html からの続き)
○警察署・留置場/夜
目覚める裕司。
震える息を吐く。
手で顔を覆う裕司。
○同・心理課
裕司,なつみ,友辺。
なつみ「お母さんの顔が見えない……?」
裕司「(不安そうに)……同じ夢を、何度も
見るんです……」
なつみ「お母さんとの間に何か特別なことが
ありましたか?」
裕司「(考えて)……分かりません……」
なつみ「どんなお母さんだった?」
裕司「(言いにくそうに)……あまり、覚え
てないんです……」
なつみ「そう……好きだったとか嫌いだった
とかは?」
裕司「………それも、よく……」
友辺「………(不思議な思い)」
裕司「(恐る恐る)………母のこと、好きじ
ゃなかったから、知らないうちに忘れよう
としてるんでしょうか……?」
なつみ「そうとは言えないけど……お母さん
とのことで何か漠然とした印象っていうか、
心に引っ掛かっているような感じはないで
すか?」
裕司「………何だか、母のことを置いていっ
たような……見捨てたような、そんな感じ
が……(辛そうに)」
なつみ「見捨てたような感じ……」
友部「………(怪訝)」
裕司「(急に顔を手で覆って)……自分の母
親のことを覚えてないなんて、僕は異常じ
ゃないんですか……!?」
なつみ「(包容するように)人の心の働きに
はね、必ずそれが必要だったっていう理由
があるの。それをゆっくり見ていきましょ
う」
裕司「……僕が異常な理由をですか……?
どうでもいい……! 僕は病気なんでしょ
う!? だから人を傷つけても分からないん
です……!!(自虐的)」
なつみ「裕司くん……(共感に努める)」
裕司「(取り乱して)……僕は異常なんだ、
病気なんだ……!! うう……!!(泣き伏
す)」
なつみ「………(心痛)」
(続く)
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