「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

俗説3 「BPDは一生治らない。 治療できない」

2011年09月03日 20時53分43秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 数年前まで、 BPDは不治の病で、

 一生付き合っていく 障害であると思われていました。

 しかし現在では、 回復する可能性が 大いにあることが分かっています。

 さらに、 躁うつ病よりも 回復する可能性が 高いことも明らかになりました。

 治療の発達だけでなく、 BPDの知識が増えたことも 貢献しています。

 BPDの診断を受けても、 充分な希望があるということを 忘れないでください。

 BPDについて 明らかになっていなかった頃は、

 多くの専門家は BPDの治療の難しさを感じて、

 自分の治療法が効果がないから、 BPDは治療不可能だと 判断してしまいました。

 それは、 ジムに行って 200ポンドのバーベルが 上がらなかったからといって、

 200ポンドは誰も上げられないと 諦めてしまうのと同じです。

 当時の治療が ただ効果的でなかった というだけのことです。

 現在では BPDのために開発した 治療法を受けた患者が、

 短期間で 驚くような回復を遂げています。

 意気消沈や不安といった 症状だけでなく、

 自殺企図や自傷行為という行動を 回避する可能性が、

 ほんの1年ほどで 劇的に減少します。

 3ヶ月の治療でも 有効であることが分かっています。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 

 心子は残念ながら、 回復する前に逝ってしまったわけですが。

 当時は 治療法も知識も、 現在とは大きな差がありました。

 もし心子が 今生きていたら、

 もっと違う道が あったのではないかと 思えてなりません。

 心子が回復した姿を 想像すると、 やるせないものがありますね。
 
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