この記事からしばらく、 BPDの原因について 連載していきます。
原因の全てが はっきりしているわけではありませんが、
遺伝子, 生物学, パーソナリティ特性や ストレスが組み合わさって、
BPDが引き起こされるとされています。
まず、 親から遺伝するのかどうかです。
一卵性双生児が両方とも BPDになる確率は35%で、
二卵性双生児の場合は 7%と低い数字になります。
遺伝子が全く同じ 一卵性双生児で確率が高く、
少なくとも部分的には BPDは遺伝する可能性がある、 ということになります。
また、 BPDの人の一親等血縁者が 10~20%の確率で、
BPDを持つという 結果が出ています。
一般人口でのBPDの出現率が 1.6%とすると、
一親等では その12倍になります。
遺伝子については、 現在明確な答はありません。
あなたの遺伝子が あなたの行動に影響を及ぼし、
あなたの行動が 環境に影響を及ぼします。
そして、 環境によって 遺伝子の活動が 影響を受けるという事実が、
話を非常に複雑にしています。
最近では、 ある遺伝子の組み合わせによっては、
周りからのストレスに 敏感になると考えられています。
単一の遺伝子が BPDの主因になることはありませんが、
多くの異なった遺伝子が 組み合わさって、 BPDに発展することがあります。
近い将来、 BPDに関連した 特定の遺伝子について 分かってくるでしょう。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
(次の記事に続く)