小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

メグロに学ぶ、生き残る秘訣!?

2015年05月15日 | 小笠原 野生動物
■母島にはメグロという鳥がいます。
この鳥は母島ではスズメの様にそこいらに沢山いて、ごく身近な鳥ですが、
世界でも母島列島にしか生息していない貴重な鳥です♪

現在は特別天然記念物・絶滅危惧種にも指定されています。
標識を付けて個体識別をする調査も行われていて、
色々わかってきたことがあるそうですが、
その中でも驚きのエピソードがありました☆

寿命は3~5年と言われていますが、
なんと野生下で11年も生きた個体がいたそうです!
その生き延びる秘訣というのがとても面白かったです。
(参考資料:森の野鳥を楽しむ101のヒント/日本林業技術協会)

メグロは縄張り意識が極めて強いそうで、
縄張りに侵入してきた他個体を攻撃するそうです。
若鳥は縄張りの隙間を必死で確保し、
縄張りを持てなかった個体は生きる場所を失ってしまうそうです。

そんな春先の繁殖期の早朝、自分の縄張りを主張するために一斉にさえずる中で、
1羽だけさえずらない個体がいたそうです。

それがあの11年生きたメグロだったそうです。

この個体は毎年縄張りの場所を少しずつずらし、
他の個体が自分の縄張りに侵入すると、遠慮して領地をずらすそうです。

自己主張せずに何事も穏便に済ませるのが、
このメグロの長寿の秘訣だったそうです。
すごい!

その後この長寿のメグロは見つかっていないそうですが、
なんとも人間の世界でもハッとさせられる話だなと思いました。


■他にもメグロはさすがにここまで生き残っただけあって、
色々と特徴的なところがあります。

巣はメジロの様に枝先の危うい位置ではなく、
強風でも安定している枝の根元の方に巣を作るそうです。

餌は果実を食べるのが有名ですが、
実際はよく虫を食べているそうです。
しかも鳥では珍しく、アリも食べるとのこと。

そして飛べるのに、意外と森が切れた先など
あまり遠くには飛びたがらないらしく、
母島の属島に残っているメグロと母島本島のメグロは
DNAを調べてみると随分と長い年月の間行き来がないことも分かって来ています。

日本のすでに絶滅してしまった鳥の中で
小笠原固有種が意外と多く占めています。
・オガサワラカラスバト
・オガサワラガビチョウ
・オガサワラマシコ
・ハシブトゴイ........

そんな中でもこうして人間が住んで環境が変わる中でも、
柔軟に対応して今も生き残っているメグロ。
私たちにもきっと学べることが沢山あるような気がします。

そしてバードウォッチャーがわざわざ母島まで見に来るのも分かる気がします♪


■そんな鳥たちがさえずる早朝にこだまする子供達の声(笑)。
朝の6時から我が家の娘たちが元気に
「ジャンケンポン!グリコ!チョコレート!パイナップル!」
をしています。

早朝からなんてご迷惑な!と思いつつも、
なんだか微笑ましくて遠くから見守ってしまいました♪
もしご迷惑をかけていたら、ごめんなさいm(__)m

■また今朝は娘との早朝ランニングの最中にオーストンウミツバメが不時着していました。
足元を全く見ていなかった僕は、娘が見つけるまでサッパリ気付きませんでした(笑)。

この小型の海鳥は普段はず~っと海上で過ごしているのですが、
繁殖は地上に穴を掘って巣を作ります。
準絶滅危惧種にも指定されています。

この鳥は冬に小笠原諸島等で繁殖しているので、
巣立ち直後の若い個体が夜間に集落の灯りに寄せられて不時着します。
そのままでも朝になれば飛んで行くのですが、
陸上ではとても動きが遅く、
そのままにしておくと交通事故やネコの捕食など、人為的な理由で命を落とす場合があります。

なので、鳥獣保護員として人的な理由による野生動物の事故を少しでも減らすために、
こうして保護し、放鳥しているのです。
この春、母島では4羽の海鳥を保護、放鳥しています。

砂浜にそっと置いて、自力で飛び立つのを待ちます。
この子はとても臆病で羽に異常があるわけでもないのですが、なかなか飛び立ちません。

水に入ったり、上がったりを繰り返すこと30分、
最終的には沖の彼方に飛び去って行きました。

「元気に生きてね~!」
娘のエールが響きます(今年の運動会の応援団長です♪)!

こんな些細な日常に、幸せを感じます。
子供達と過ごせる限りある時間を大切にしたいなと思うひと時でした☆