中(渦中)に置かれている黒川検事長の賭けマージャンが報じられた。
本朝に黒川氏の辞任が速報されたが、賭けていたか否かは兎も角、マージャンをしたのは間違いないところだろう。卓を囲んだとされる記者らを擁する朝日新聞社は賭けの事実は不明とするものの事実を認め、産経新聞社は取材の一端であるかのコメントを出している。麻雀が行われていたのが雀荘やホテルなどではなく、マンションの1室とされていることから「なんでバレたのだろう」と云うのが最初に浮かんだ。メンバーから推測して、黒川氏に贈賄するための所謂”接待麻雀”ではないと思われるので、別の思惑でリークされたものではないだろうかというのが、陰謀・裏読み好きの自分の感想であるが、本日の主題は黒川氏ではなく麻雀である。麻雀の起源には諸説あり、紀元前6世紀頃に孔子が発明したという説もあるが、最も有力な説は清朝中期に古来からのカードゲームに「骨牌」というゲームを合体させてというものであるらしい。日本に伝わったのは明治末期であるが、一般に認知されるようになったのは関東大震災の後とされている。本家の中国では、1949(昭和24)年に全てのギャンブルと共に禁止されたが、文化大革命終結後の改革開放に伴ってギャンブルでない麻雀は許され、1985(昭和60)年には禁止令が解除されたが、近年は掛け金の高騰によって賭博として自治体が掛け金を制限(缶コーヒー程度)しているともされている。日本ではアメリカ発祥のルールを盛り込んだリーチ麻雀と云われる独自のルールで発展し、昭和30年代に麻雀ブームが起きて週刊誌も挙って解説記事を連載するようになった。現在では雀荘の数や麻雀専門誌の数は減少しているが、形を変えたコンピュータゲームやオンラインゲーム、更には、効率性の思考や指先の運動が認知症の予防にも役立つという説もあって、麻雀人口は2018年時点で580万人とされている。麻雀人口はアジア全体では3億5千万人に達し、2007年には中国で第一回「世界麻雀選手権大会」が開催されたように、CS放送では番組が成立するほどの知的ゲームの側面を持つ一方で、強い者が圧倒的に勝つ囲碁や将棋と違って運に左右されることも多いために、賭博が成立する余地が残されている。法的な規制時期は勉強不足であるが、美濃部都知事が公営ギャンブル廃止を主張する前後から麻雀の賭け金額論争が起きて、結局”「付き合い」と社会通念で許容される程度の金額は”大目に見よう”で何となく落ち着いたと記憶している。自分の経験であるが、雀荘で徹夜麻雀をしていた時に警察の手入れを受けたことが2度あるが、咎は店主の風営法の時間外営業であり自分を含めた客が賭博の容疑で咎められることは無かった。闇バカラ賭博のように多くの賭博が「テラ(寺)銭」を胴元が集めるが、特異な場合を除いて麻雀にはテラ銭が不要であることも賭博(賭場図利)罪が成立しにくいと思っている。
冒頭の黒川検事長には麻雀愛好家としては、同情を禁じ得ない。検事の定年延長が論じられる時・集近閉の3密自粛時期、脇が甘い誹りは免れないが、卓を囲む相手が報道関係者であるため「まさか」の気持ちで「ハニートラップ?」に掛ったのではと、故ない援護を結言に口説終演。