立憲民主党の辻元・蓮舫議員がSNSで国葬の儀式に参加しないことを表明したが、良識を持つ人々からは一様に不快感を示す反応が示されているらしい。
かって閉鎖的な村落等では、掟や秩序を破った者に対して住民が結束して「火事の消火活動」と「葬式の支援」という二分を除いて交際・交流を絶つ「村八分」という私的制裁があったとされる。
最近の立憲民主党の政治活動を見る限り、政治家と統一教会の関係を追及することが最大の目標で、コロナ禍による国民の窮乏やウクライナ事変に起因する物価高騰・エネルギー逼迫よりもこのことを重大と捉えているように感じられる。これは、立民がコロナ禍やウクライナ事変への対応について有効な対応策を持たないために追及を放棄し、自党議員の関与が少ない統一教会問題に絞る方が政争に有利と判断した結果であろうと思う。自分は、自党議員の関与が自民党よりも少ないとして追及する立民の姿勢は、将に「五十歩百歩」で他党を糾弾できるものではないと思っている。
このように、火事にも似た受難の消火活動に背を向けていることに加えて、有権者に少なからぬ影響力を持つ両議員の国葬不参加表明と来ると、立民は永田町内はおろか広く全国民に対して「村10分制裁」を呼び掛けているように思える。
立憲民主党は、国会での追悼演説を野党第一党が行う慣例の踏襲を求め・受け入れられた経緯もあって、党としては国葬儀式への参列出欠を留保しているので、両議員の行動は狭量な跳ね返り者のパフォーマンスと観るべきかもしれないが、鬼籍に入った人の墓は暴かないという日本的文化・美意識に逸脱するかの行為は、国家意識希薄な狂信的支持者からは喝采を以って迎えられるであろうものの、良識者の眉を顰めさせるもので、無党派層を対極に押しやる結果となるであろうことは想像に難くない。
朝鮮戦争での韓国救国の英雄とされる白善燁将軍の葬儀に際しては、国葬を贈られるであろうとの大方の予測に反して文政権は国家葬(実質は陸軍葬)とし、埋葬も国立墓地としては格下の太田墓地を指定、弔辞でも親日派の烙印を付け加えるという念の入れようであったとされる。
最近の立憲民主党の国会活動、今回の両議員の行動を見ると、「親日破墓法」をすら真剣に考える韓国の粘液質に通じるように感じてしまう。
安倍氏の業績を判断することも自由で、儀式への参列も自由であるが、表立って葬儀不参加を言い立てるのは日本の風習からは受け入れられないだろうと思う。