国際刑事裁判所(ICC)が、プーチン大統領に対する逮捕状を発行した。
逮捕状容疑はウクライナからの子供連れ去りを始めとする「戦争犯罪」とされている。
現在ICCに加盟しているのは123か国でロシア、アメリカ、中国、インド、イスラエルなどは加盟していないので逮捕・裁判は現実的には不可能であろうが、国家元首に対する史上3人目の逮捕状発行の意味は大きい様に思うとともに、ウクライナ事変が終結した後もICCの逮捕状は有効であるために、事変後のプーチン外交にも少なからぬ影響が出てくるように思える。
コロナ禍はリモートでの首脳会談を普通のこととしてしまったので、事変後にあってもプーチン氏がICC加盟国を訪問して対面形式の首脳会談を行う必要性は少なくなったとはいえ、国際舞台でのパフォーマンスを制約されることはロシアにとって少なからぬ痛手となるだろう。
国家元首に対するICCの逮捕状発行の先例2人は、リビアのカダフィ大佐、スーダンのバシル大統領であるが、いずれも逮捕・裁判はできなかった。
ICCの逮捕状発行は、ウクライナ事変はプーチン氏の悪行とするのが世界的な評価と示したに等しいと考えるべきであろうが、日本のネット上には《ウクライナ事変はアメリカを始めとする西側世界が原因》とする意見も少なくないことをかねがね不審に思っていたが、
本日の産経新聞の「新聞に喝」で麗澤大客員教授の飯山陽氏が、朝日新聞2月24日の社説で、《(事変の遠因は)世界がクリミア併合に目をつぶったことや、日本が北方領土返還のために経済協力を続けたことにあり、”冷戦勝利に浮かれた西側の傲慢にロシアが反発したため”》と断じ、紙背に《プーチンに戦争させたのは西側》を隠しつつも《被害者はロシア》とする論調を掲げていることを知って、ウクライナ事変でロシアに一定以上の理解を示す日本のネット諸氏の主張は、単なる朝日新聞の引き写し・誘導であるのかと納得できた。
朝日新聞の社説を読み替えれば、大東亜戦争の原因は「ABCD包囲網で日本を封じようと欧米諸国の傲慢に日本が反発した」ことに依っており責任は連合国が負うべきとすると同義で、それはそれで東京裁判を無効と考える自分の考えとは同じであるものの、大東亜戦争での祖国日本を断罪する一方でウクライナ事変でのロシア擁護を主張する報道姿勢には些かの疑問を持つところである。
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