glimi

生きること:過去と未来とエスペラントと

ザメンホフの詩

2011-05-21 07:09:20 | エスペラント

 久しぶりにエスペラントの創始者ザメンホフの詩を読みました。学生だった頃講習会の帰り道みんなで口ずさみ暗誦してしまったものもあったのにすっかり忘れていました。

 ザメンホフの創作は少ないです。手紙は沢山残っていますが私が読んだことのある詩は9篇だけです。新しい言葉に対しる質問や意見が多く、また言葉の確立のために世界の名作を翻訳することに時間と心を砕いていた彼は、創作する時間などなかったのでしょう!

 日本人のエスぺランティストの中には詩は難しいという人が多いように思います。でも初心者にはぜひザメンホフの詩を読んでほしいのです。創作年代と彼のその時の生活、エスペラントの置かれていた社会事情など照らすて読むと彼の苦悩と希望が伝わってきます。

 たとえば La Vojo 『道』。 1896年の作品です。1887年にエスペラントは公表されましたが多くの支持者はロシアにおりました。1894年文豪トルストイがエスペラント支持を表明します。それが裏目に出たのです。トルストイの思想を快く思わないロシア政府はトルストイが賛同することを陰で弾圧していました。そしてエスペラントもロシア国内の運動を禁止されました。もちろん雑誌も販売禁止となり、ロシアの読者を失いエスペラント運動は大きな打撃を受けるのです。

 このようにエスペラントの歴史と合わせてザメンホフの詩を読むと詩に込められた彼の心が強く伝わってきます。

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