昨日も姉から野菜その他小包が届きました。入っていた手紙もきちんと書かれていました。ですが先日とても奇妙な経験をしたのです。姉の夫の法事に呼ばれて上野に行きました。法事を済ませて通りを歩いていた時のことです。甥家族はある店に立ち寄っていたので、私は姉と二人で歩いていました。赤いブラウスの女性が颯爽と自転車をこいでやってきました。姉は私に言いました。“あの人私知っている。ほら谷中の大通りの向こうに住んでいた人よ!”懐かしい顔を見たというように嬉しそうでした。
“ええっ!?”私は驚きの声をあげました。姉がこの界隈に住んでいたのは50数年前のことです。彼女は私よりずっと若く、50数年前は多分10歳前後だったでしょう。
”あっ!違った。今住んでいる所の近所の奥さんよ!”と言い直し姉は楽しげに元気に歩いていました。私は言葉を失い黙りこくっていました。姉の住処は千葉県。とても自転車で上野まで来れる距離ではありません。彼女は時間も距離も超越して自分の感覚に浸っているようでした。
姉の家はかなり不便なところにあります。幾度か電車を乗り換え間違いもなく上野までやってきました。帰りも一人で帰って行きました。でも少しづつボケが始まっているようです。こうして、勘違いかもと思えるような些細な出来事が人の衰えを物語ったいると感じた出来事でした。
そして私も同じ道をたどるだろうと思ったのですが、自分でも気づかないうちに少しづつ壊れてゆくのかと思うと少々恐ろしくなります。
“ええっ!?”私は驚きの声をあげました。姉がこの界隈に住んでいたのは50数年前のことです。彼女は私よりずっと若く、50数年前は多分10歳前後だったでしょう。
”あっ!違った。今住んでいる所の近所の奥さんよ!”と言い直し姉は楽しげに元気に歩いていました。私は言葉を失い黙りこくっていました。姉の住処は千葉県。とても自転車で上野まで来れる距離ではありません。彼女は時間も距離も超越して自分の感覚に浸っているようでした。
姉の家はかなり不便なところにあります。幾度か電車を乗り換え間違いもなく上野までやってきました。帰りも一人で帰って行きました。でも少しづつボケが始まっているようです。こうして、勘違いかもと思えるような些細な出来事が人の衰えを物語ったいると感じた出来事でした。
そして私も同じ道をたどるだろうと思ったのですが、自分でも気づかないうちに少しづつ壊れてゆくのかと思うと少々恐ろしくなります。