若いころ4年間共に学んだ友人がいます。卒業後私とは縁が無くなりました。夫は同業者なので、また退職後も含め50年以上も親しく付き合っています。会うと彼女はみんなにお土産を配ります。昨年の春でしょうか夫はいつも買ったお菓子をお返しに持って行っているので自家製パンがほしいと云いだし持参しました。
彼女からすぐに私に電話が入りました。私はあのパンがほしい!と。長年癌を病む彼女の幾ばくかの力になればと月に1度2~3個届けています。12月30日、お正月に好きなパンを食べれば少しは気分晴れるかなと届けました。彼女は家にあったコーヒーとかミカンとか袋に入れてお返しにくれました。その中にマスクが60枚入った箱が一箱入っていました。
1月は屋根の塗装とかで忙しくパンを届けませんでした。夫のところにはあのパン美味しかったと2度ほど電話があったようです。美味しかったとい過去形はもうパンが無い食べたいと云う彼女の合図です。私もいつもいつも希望に添えるわけではありません。姉からお出でコールがかかっているのですが、出かける気になれずパンでも送ろうかと思っていました。姉は送れとは言いませんが、孫娘がやはり私のパンが大好きだと必ず1個は彼女に上げるのだそうです。姉とその孫をつなぐ役目の一つを担っているのですから、その効用は大したものです。が、焼く私にすると焼いても焼いてもパンが足りないと云う現象が起こるのです。
2月9日、朝から雪が降り出しました。天気予想では積もるかもしれないと云うことでした。積雪になればまた友人のところに届けるのは難しくなります。電話をしても彼女は出ませんでしたが、留守の時は玄関先に置いてくると留守電を入れ、午前中焼けたパンと冷凍にして置いたパンを持って彼女に届けました。
往復70キロの距離です。珍しいことに渋滞に会いませんでした。長い会話は体の負担になりますから私は本当にパンを手渡すだけでいつもとんぼ返りです。この日は車を止めたとたんバス停に立っていた人が追いかけてきました。彼女でした。数日前の化学療法の結果を聞きに病院へ行ったのだそうです。癌は消えていたとすごくはしゃいでいました。昨年4月も癌は消えたと喜んでいたのでしたが、6月の検査でまた見つかり今回の治療となったのでした。治療への熱意と根気の良さには本当に感心します。
さて、昨日彼女からお返しが送られてきました。私の好きなコーヒーが入っていたのですが、その他にもパウンドケーキとか入っていました。しかしもっと驚いたのはマスクの60枚入りと30枚入りの箱が入っていたのです。前回の分と合わせるとマスクは150枚になります。我が家でマスクを使うのは私だけです。使い捨てマスクですがそれにしても多すぎます。彼女に短い携帯メールを書きました。『いろいろなものが入っていて驚きました…。』電話を置くや否や電話が鳴りました。彼女からでした。
『ねえ、ねえ、あれ宝箱だったでしょう!!』
『宝箱ねえ。』私は思わず苦笑しました。
マスク150枚は多すぎると考えないと云うのも年のせいでしょうか。怖いです!
彼女からすぐに私に電話が入りました。私はあのパンがほしい!と。長年癌を病む彼女の幾ばくかの力になればと月に1度2~3個届けています。12月30日、お正月に好きなパンを食べれば少しは気分晴れるかなと届けました。彼女は家にあったコーヒーとかミカンとか袋に入れてお返しにくれました。その中にマスクが60枚入った箱が一箱入っていました。
1月は屋根の塗装とかで忙しくパンを届けませんでした。夫のところにはあのパン美味しかったと2度ほど電話があったようです。美味しかったとい過去形はもうパンが無い食べたいと云う彼女の合図です。私もいつもいつも希望に添えるわけではありません。姉からお出でコールがかかっているのですが、出かける気になれずパンでも送ろうかと思っていました。姉は送れとは言いませんが、孫娘がやはり私のパンが大好きだと必ず1個は彼女に上げるのだそうです。姉とその孫をつなぐ役目の一つを担っているのですから、その効用は大したものです。が、焼く私にすると焼いても焼いてもパンが足りないと云う現象が起こるのです。
2月9日、朝から雪が降り出しました。天気予想では積もるかもしれないと云うことでした。積雪になればまた友人のところに届けるのは難しくなります。電話をしても彼女は出ませんでしたが、留守の時は玄関先に置いてくると留守電を入れ、午前中焼けたパンと冷凍にして置いたパンを持って彼女に届けました。
往復70キロの距離です。珍しいことに渋滞に会いませんでした。長い会話は体の負担になりますから私は本当にパンを手渡すだけでいつもとんぼ返りです。この日は車を止めたとたんバス停に立っていた人が追いかけてきました。彼女でした。数日前の化学療法の結果を聞きに病院へ行ったのだそうです。癌は消えていたとすごくはしゃいでいました。昨年4月も癌は消えたと喜んでいたのでしたが、6月の検査でまた見つかり今回の治療となったのでした。治療への熱意と根気の良さには本当に感心します。
さて、昨日彼女からお返しが送られてきました。私の好きなコーヒーが入っていたのですが、その他にもパウンドケーキとか入っていました。しかしもっと驚いたのはマスクの60枚入りと30枚入りの箱が入っていたのです。前回の分と合わせるとマスクは150枚になります。我が家でマスクを使うのは私だけです。使い捨てマスクですがそれにしても多すぎます。彼女に短い携帯メールを書きました。『いろいろなものが入っていて驚きました…。』電話を置くや否や電話が鳴りました。彼女からでした。
『ねえ、ねえ、あれ宝箱だったでしょう!!』
『宝箱ねえ。』私は思わず苦笑しました。
マスク150枚は多すぎると考えないと云うのも年のせいでしょうか。怖いです!