ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

「応益負担は違憲」 障害者自立支援法訴訟 25日に口頭弁論

2009年03月23日 00時21分49秒 | 障害者の自立
 障害者自立支援法の「応益負担」制度は、「法の下の平等」や「生存権の保障」などを定めた憲法に違反するとして、県内の障害者ら七人が国と自治体を相手取り「利用者負担額」の取り消しなどを求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十五日、さいたま地裁で開かれる。同法は障害者に福祉支援(福祉サービス)利用料の原則一割の自己負担を課す「応益負担」を導入。障害が重いほど負担が重くなった。これに対して全国の障害者や家族は「生きていけない」と反発、昨年十月に埼玉を含む一都二府五県で二十九人が一斉提訴した。

 ■トイレ介助に利用料

 自立支援法施行から三年。障害者らは「応益負担」の重さに悲鳴を上げて同法規定の「見直し」の春を迎えた。福祉支援を利用する際、以前の支援費制度では障害者の自己負担は収入に応じた「応能負担」だった。それを同法は利用量に応じた「応益負担」に転換。それまで多くの障害者が無料だった食事や着替え、トイレの介助などに利用料の一割が掛かるようになった。

 時限的軽減措置による減額はあるが、県の調査では、生活がまだ苦しいと感じる人は九割弱(二〇〇七年九月)。

 福祉支援利用の抑制や施設を退所する人も増えた。県内の障害者関係六団体の調査(二百三十九施設回答)では、施行三カ月で二十八人だった施設退所者が、約二年後には約四・五倍の百二十七人になった。県南の施設の中には事業を一部廃止した所も。退所者増の影響が広がっている。

 ■重障害ほど負担重く

 今月六日、さいたま市内で行われた「提訴報告と支援を呼びかける集い」には県内の原告全員が参加。原告と原告に代わり母親らが応益負担の厳しさを次々に訴えた。

 低体重で生まれ、無呼吸発作の後遺症で脳性小児まひと診断された秋山拓生さん(34)は、四肢まひと知的障害がある。〇二年から蓮田市の障害者支援施設「大地」に入所。秋山さんの一カ月の一割負担は、軽減措置で減額されても七千五百十二円。さらに食材費や光熱水費なども全額負担になり、月に計五万五千円ほどを施設に払う。負担は以前の支援費制度より約二万千円増えた。収入は障害年金一級の月額約八万二千円のみで、通院交通費やガソリン代などを引くと赤字になる。

 この日、母親の宇代(たかよ)さん(67)は「不足分は親が援助しているが、私たちも高齢化する。いつまで援助できるか」と不安を訴えた。

 林政臣さん(33)は白岡町の障害者支援施設「太陽の里」が“生きる場”だ。林さんは最重度知的障害と自閉症、体を傷つけかねない行動障害がある。母親たみ子さん(60)は「信頼した職員がそばにいるから穏やかな日々がある」という。一割負担は月二万四千六百円で、計約八万二千円を払う。近く軽減されるが、それでも負担は重い。

 たみ子さんは「障害は自己責任でない。この制度では息子の将来が不安」と訴えた。

 会場からは「娘に知的障害がある。娘も私も障害を望んだわけではない。人として当たり前に生きてほしいという思いが、この法律で覆された。みんなで原告を支えたい」などの声が上がった。弁護団によると五月にも五人の障害者が新たに提訴し、第一次訴訟の原告と合流する予定。