無届け9か所がNPO運営
火災で入居者10人が死亡した渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」が無届けだったため、県が高齢者向けの無届け宿泊施設の洗い出しを進めたところ、「たまゆら」と「花みづきたまゆら」を含めた22施設の実態調査が必要であることがわかった。うち9施設がNPO法人の運営という。県が27日発表した。
県は、これらが老人福祉法上の有料老人ホームに該当するかどうかの調査を4月10日頃までに済ませ、該当すると判断した施設に届け出を強く促す考えだ。「たまゆら」などについても、運営するNPO法人「彩経会」から運営や施設の実態、今後の方針を聞き取る。各土木事務所や地元消防と連携し、施設の安全面も指導するという。
この22施設とは別に、介護と食事がつくなど、県が有料老人ホームと見なしている施設で、届け出をしていないのは24施設(NPO運営は4施設)。いずれも運営内容を記した文書を提出済みで、うち11施設は届け出の意思を伝えている。残る13施設は行政の関与を避ける傾向というが、県は届け出を求める方針だ。
県は、障害者や児童向けの無届け宿泊施設の洗い出しも進め、通所型についても同様に調べる予定だ。
現行制度上、届け出がない限りは県の監督権限はない。運営がNPO法人の場合は、業務に行政が極力介入しないことが法律の趣旨でもある。大沢知事は、「群馬だけの課題ではない」として、無届け施設への関与を可能にする制度改正を、全国知事会を通じて働きかける考えを示している。
◆県警本部長「徹底解明」
大平修県警本部長は27日の定例記者会見で、「静養ホームたまゆら」の火災について、「10人の尊い命が失われた。大惨事に至った原因を徹底的に捜査し、全容を解明していく」と述べた。また、「防火、避難など管理体制がどうなっていたか、様々な観点から捜査し、刑事罰に触れる事実があれば、厳正に対処していきたい」とした。
◆墨田区職員が8人と面会
「静養ホームたまゆら」に生活保護受給者15人を紹介した墨田区の職員2人は27日、渋川市内外の4か所を訪れ、生存する入居者9人のうち8人と面会し、都内の別の施設に移ってもらいたいとする、区の基本方針を説明した。入居者には、「たまゆら」に残るかどうか、近く最終的な意思確認をする方針。
「たまゆら」を訪れた職員は、記者団に、「入居者はおおむね元気だった」と説明。また、区が紹介した人の遺体と判明し、引き取り手がいない場合は、区が引き取る方針を明らかにした。都内で火葬、遺骨を保管するが、葬儀はしない。生活保護受給者を区外に送り出した場合の通常手続きという。
区職員から説明を受けた男性入居者は取材に、「移りたいと伝えた」と話した。また、「墨田区は、(施設を)自分たちでしっかり点検して、(生活保護受給者を)送るべきだった」と、改めて不満を漏らした。
火災で入居者10人が死亡した渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」が無届けだったため、県が高齢者向けの無届け宿泊施設の洗い出しを進めたところ、「たまゆら」と「花みづきたまゆら」を含めた22施設の実態調査が必要であることがわかった。うち9施設がNPO法人の運営という。県が27日発表した。
県は、これらが老人福祉法上の有料老人ホームに該当するかどうかの調査を4月10日頃までに済ませ、該当すると判断した施設に届け出を強く促す考えだ。「たまゆら」などについても、運営するNPO法人「彩経会」から運営や施設の実態、今後の方針を聞き取る。各土木事務所や地元消防と連携し、施設の安全面も指導するという。
この22施設とは別に、介護と食事がつくなど、県が有料老人ホームと見なしている施設で、届け出をしていないのは24施設(NPO運営は4施設)。いずれも運営内容を記した文書を提出済みで、うち11施設は届け出の意思を伝えている。残る13施設は行政の関与を避ける傾向というが、県は届け出を求める方針だ。
県は、障害者や児童向けの無届け宿泊施設の洗い出しも進め、通所型についても同様に調べる予定だ。
現行制度上、届け出がない限りは県の監督権限はない。運営がNPO法人の場合は、業務に行政が極力介入しないことが法律の趣旨でもある。大沢知事は、「群馬だけの課題ではない」として、無届け施設への関与を可能にする制度改正を、全国知事会を通じて働きかける考えを示している。
◆県警本部長「徹底解明」
大平修県警本部長は27日の定例記者会見で、「静養ホームたまゆら」の火災について、「10人の尊い命が失われた。大惨事に至った原因を徹底的に捜査し、全容を解明していく」と述べた。また、「防火、避難など管理体制がどうなっていたか、様々な観点から捜査し、刑事罰に触れる事実があれば、厳正に対処していきたい」とした。
◆墨田区職員が8人と面会
「静養ホームたまゆら」に生活保護受給者15人を紹介した墨田区の職員2人は27日、渋川市内外の4か所を訪れ、生存する入居者9人のうち8人と面会し、都内の別の施設に移ってもらいたいとする、区の基本方針を説明した。入居者には、「たまゆら」に残るかどうか、近く最終的な意思確認をする方針。
「たまゆら」を訪れた職員は、記者団に、「入居者はおおむね元気だった」と説明。また、区が紹介した人の遺体と判明し、引き取り手がいない場合は、区が引き取る方針を明らかにした。都内で火葬、遺骨を保管するが、葬儀はしない。生活保護受給者を区外に送り出した場合の通常手続きという。
区職員から説明を受けた男性入居者は取材に、「移りたいと伝えた」と話した。また、「墨田区は、(施設を)自分たちでしっかり点検して、(生活保護受給者を)送るべきだった」と、改めて不満を漏らした。