障害の有無の枠を超え、作品を通して互いの感性をたたえ合う「第17回陽(ひ)と風と……とっておきのアーティストたち」展が17日、福山市西町2丁目のふくやま美術館で始まった。同市水呑町の知的障害者施設「福山六方学園」などでつくる実行委が、岩手県から福岡県まで全国14の障害者施設などで活躍するアーティストらの作品を招待。障害者たちによる芸術活動「アウトサイダー・アート」の最新の展開と、その多様性を堪能できる。23日まで。(広津興一)
障害者による芸術はボーダレス・アートや、フランス語で「アール・ブリュット(生の芸術)」とも呼ばれ、その創造性豊かな作品に注目が集まっている。来年3月には、パリのアル・サン・ピエール美術館で、日本の障害者の作品を紹介する「アール・ブリュット・ジャポネ展」も開催。全国20都道府県から約60人の作品が出展され、その中に福山六方学園の2人も選ばれた。この開催を記念し、今回の「陽と風と……」展では全国の施設に参加を呼びかけ、50点が集まった。
愛らしい表情をした手のひらサイズの地蔵を何体もつくり続けるやまなみ工房(滋賀県)の山際正己さんや、平仮名の「も」を無数に書くことで、柔らかな陰影を持つデザイン画を描く工房集(埼玉県)の齋藤裕一さんらの作品のほか、ディズニーのキャラクターを文字とともに丁寧に縫い上げた刺繍(し・しゅう)、絵図から描き起こして内部まで細かく仕上げた電車のペーパークラフトなど、その表現世界は多彩だ。
障害者の作品以外にも、地元のつくし保育園の園児らの絵画や地元の書家による書などがあり、計197点が展示されている。実行委員長の西山堅太郎・福山六方学園統括園長は「作品の持つ大きなエネルギーを感じていただければ」と話している。
22日午後2時からは「障がい者アートの普遍化に向けて」をテーマにシンポジウムも開催。西山園長をコーディネーターに、福山市新市町出身の現代美術作家野田正明さん、滋賀県社会福祉事業団理事長の北岡賢剛さん、福山六方学園が運営するアートセンターきらりの櫛野展正さんが意見を交わす。
入場無料。問い合わせはアートセンターきらり(084・954・5866)。
障害者による芸術はボーダレス・アートや、フランス語で「アール・ブリュット(生の芸術)」とも呼ばれ、その創造性豊かな作品に注目が集まっている。来年3月には、パリのアル・サン・ピエール美術館で、日本の障害者の作品を紹介する「アール・ブリュット・ジャポネ展」も開催。全国20都道府県から約60人の作品が出展され、その中に福山六方学園の2人も選ばれた。この開催を記念し、今回の「陽と風と……」展では全国の施設に参加を呼びかけ、50点が集まった。
愛らしい表情をした手のひらサイズの地蔵を何体もつくり続けるやまなみ工房(滋賀県)の山際正己さんや、平仮名の「も」を無数に書くことで、柔らかな陰影を持つデザイン画を描く工房集(埼玉県)の齋藤裕一さんらの作品のほか、ディズニーのキャラクターを文字とともに丁寧に縫い上げた刺繍(し・しゅう)、絵図から描き起こして内部まで細かく仕上げた電車のペーパークラフトなど、その表現世界は多彩だ。
障害者の作品以外にも、地元のつくし保育園の園児らの絵画や地元の書家による書などがあり、計197点が展示されている。実行委員長の西山堅太郎・福山六方学園統括園長は「作品の持つ大きなエネルギーを感じていただければ」と話している。
22日午後2時からは「障がい者アートの普遍化に向けて」をテーマにシンポジウムも開催。西山園長をコーディネーターに、福山市新市町出身の現代美術作家野田正明さん、滋賀県社会福祉事業団理事長の北岡賢剛さん、福山六方学園が運営するアートセンターきらりの櫛野展正さんが意見を交わす。
入場無料。問い合わせはアートセンターきらり(084・954・5866)。