障害者や高齢者らの体に装着して歩行を補助するパワーアシストスーツ「HAL(ハル)」を展示する「HAL SPOT」が22日、岡山市北区芳賀のテクノサポート岡山にオープンした。世界的に注目を集める技術を県民や産業関係者らに公開し、情報発信や技術開発につなげるのが狙い。ハルの開発者で岡山市出身の山海嘉之・筑波大大学院教授は式典に出席し、「岡山を最先端テクノロジーの拠点にしたい」と意気込みを語った。(西蔭義明)
ハルは、山海教授が2004年にベンチャー企業「サイバーダイン」(茨城県つくば市)を設立して開発した。筋肉を動かそうとする際に皮膚表面に現れる微弱な電気信号を感知し、歩いたり、立ったりする動作を関節部分につけたモーターと連動させて補助する。太ももからふくらはぎの外側にかけて装着でき、サイズはSからLまで3種類。
同社によると、ハルは全国約70の医療、福祉施設が約200台導入し、リハビリなどに活用しているという。県も今年から病院などにハルを貸し出す事業を始める方針で、20台を3年間提供し、毎年研究テーマを変えて効果を検証する。
今回の拠点は、県民へのPRのため常設スペースに10台展示。利用方法などを書いたパネルを掲示するほか、装着して体験もできる。また、ハルの幅広い活用方法や更なる技術開発の可能性を探るため、県産業振興財団やサイバーダインの職員は今後、県内の研究施設や企業を訪問し、産官学の連携を深めていく予定。
この日の式典では、石井知事がハルのセンサーを腕に装着し、皮膚の電気信号を感知してモーターを動かす先端技術を体験。「サイバーロボットになったような感覚」と笑顔を見せ、「もっと多くの人に体験してもらい、岡山をものづくり産業の拠点として発展させたい」とあいさつした。山海教授は「西日本の拠点として、人材育成、新産業創出を担ってもらいたい」と期待していた。
「HAL SPOT」の利用は平日の午前9時~午後5時。問い合わせは県産業振興財団(086・286・9651)。
歩行補助スーツお披露目 体験OK 岡山に拠点
(2011年4月23日 読売新聞)
ハルは、山海教授が2004年にベンチャー企業「サイバーダイン」(茨城県つくば市)を設立して開発した。筋肉を動かそうとする際に皮膚表面に現れる微弱な電気信号を感知し、歩いたり、立ったりする動作を関節部分につけたモーターと連動させて補助する。太ももからふくらはぎの外側にかけて装着でき、サイズはSからLまで3種類。
同社によると、ハルは全国約70の医療、福祉施設が約200台導入し、リハビリなどに活用しているという。県も今年から病院などにハルを貸し出す事業を始める方針で、20台を3年間提供し、毎年研究テーマを変えて効果を検証する。
今回の拠点は、県民へのPRのため常設スペースに10台展示。利用方法などを書いたパネルを掲示するほか、装着して体験もできる。また、ハルの幅広い活用方法や更なる技術開発の可能性を探るため、県産業振興財団やサイバーダインの職員は今後、県内の研究施設や企業を訪問し、産官学の連携を深めていく予定。
この日の式典では、石井知事がハルのセンサーを腕に装着し、皮膚の電気信号を感知してモーターを動かす先端技術を体験。「サイバーロボットになったような感覚」と笑顔を見せ、「もっと多くの人に体験してもらい、岡山をものづくり産業の拠点として発展させたい」とあいさつした。山海教授は「西日本の拠点として、人材育成、新産業創出を担ってもらいたい」と期待していた。
「HAL SPOT」の利用は平日の午前9時~午後5時。問い合わせは県産業振興財団(086・286・9651)。
歩行補助スーツお披露目 体験OK 岡山に拠点
(2011年4月23日 読売新聞)