ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

“誰でも使えるWeb”を日本で実現したい 渡辺 隆行 東京女子大学 現代教養学部 人間科学科 教授

2011年04月01日 01時42分49秒 | 障害者の自立
Webアクセシビリティの新規格、策定者に聞く
 もはや生活に欠かせない存在となったWebサイト。だが、その恩恵を享受できない人は少なからず存在する。Webサイト側に配慮がないと、障害者や高齢者などは、重要な情報を入手できない。

 情報へのアクセスのしやすさを、アクセシビリティと呼ぶ。Webのアクセシビリティに関しては、2004年にJIS X 8341-3「高齢者・障害者等配慮設計指針─情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス─第3部:ウェブコンテンツ」という規格が公示され、公共機関などを中心に対応が進められてきた。

 2010年8月、このJISの内容が大幅に改正された。新規格策定の中心となった、東京女子大学の渡辺隆行教授に、規格の意義や普及に向けた課題について聞いた。


■Webのアクセシビリティを確保することの意義は何でしょう。

 今や、新聞もメールも買い物も、公共から民間のサービスまであらゆるものがWebベースになっています。OfficeソフトまでWebに移動し、テレビ放送のようなブロードキャストですらインターネットとの融合が進んでいます。Webは限りなく肥大し、重要性は増す一方です。

 こうした状況において、Webを使える人と使えない人がいると、そこに大きな不公平、デジタルデバイドが生じます。だからこそ、Webのアクセシビリティが重要なのです。

 ただしメディアとしては、Webは非常に面白い存在です。例えば紙の新聞は文字の大きさが決まっていて、視力の低い人は虫眼鏡などを使うしかありません。しかしWebなら文字の大きさや色などを自由に変えられます。音声読み上げも可能です。つまり、ユーザーインタフェースが変幻自在なのです。

 Webの発明者であるティム・バーナーズ・リー自身、Webは誰でも使えるものであるべきと考えていました。しかし残念なことに、Webは違う方向に発展してしまった。Flashを多用し、文字の大きさが変えられず読み上げもできないコンテンツなどが多く作られています。Webは今、こうした不幸な状況にあります。

 ただ、スマートフォンが話題になっている今はいいチャンスかもしれません。スマートフォンは画面が小さいし、通信環境によっては重いコンテンツは使いにくい場合があります。スマートフォンをきっかけに、多くの人にアクセシビリティの問題に気付いてもらえるのではないでしょうか。


■規格化の経緯を教えてください。

 日本における最初の規格は、2004年に公示されたJIS X 8341-3:2004です。それ以前から、実質的な国際標準として、Web技術の標準化団体W3C(World Wide Web Consortium)によるWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)1.0が存在していました。国内の企業や団体でも、これを参考にしたガイドラインを作っているところがありました。

 JIS X 8341-3:2004は、これを受けて策定されました。WCAG 1.0を参考にしながら、既に策定が始まっていたWCAG 2.0も先取りした内容でした。

 JISの公示をきっかけに、国内のWebのアクセシビリティは確実に向上しました。アクセシビリティという概念自体の認知度が高まり、さまざまな団体で対策が進んだのです。

 8月に公示された2010年版JISは、その改正版です。今回は、WCAG 2.0と内容を一致させました。WCAG 2.0は、日本から提言した内容も含んでいます。我々がWCAGのワーキンググループに参加し、2004年版JISの成果をWCAG 2.0に盛り込むための活動もしてきたのです。例えば、読み仮名をどう付けるかといった項目などです。

■2010年版JISの特徴は何ですか。

 まず、テスト可能であることです。2004年版は記述がとてもあいまいで、どうすればJISに準拠したと言えるのか不明確でした。読んだ人が自分なりに解釈していて、我々の目から見れば対応が不十分なサイトでも「JISに準拠している」と宣言している例が多数ありました。2010年版では記述を厳密にし、第三者が客観的に検証できるようにしました。

 2つめは、技術非依存であること。2004年版はHTMLとCSSに依存していたので、W3C以外の技術、例えばFlashやPDFは使ってはいけないと思われていました。またJISの中に具体的な実装例を多く盛り込んだため、それだけが正解だとの誤解を生みました。

 そこで2010年版では、こうした具体的な記述を避けました。人間が知覚・理解・操作できるかという基準で記述しており、特定の技術に依存していません。技術はすぐに変わるので、今後出てくる新しい技術にも対応できるような内容になっています。また視覚だけでなく、認知障害など幅広い障害に対応できるような記述にしています。

 WCAG 2.0と内容を一致させたことによるメリットもあります。WCAG 2.0用に作られたツールをJISでも使えるし、逆に国内企業がJIS用のツールを作った場合、同じものを海外にも売り込めます。国際展開している企業にとっては、各国向けのWebサイトを共通の基準で作れるのは大きな利点だと思います。


■一方で、記述が抽象的で分かりにくくなったとの声もあります。

 それは確かにあります。技術非依存なぶん、具体的な実装方法が把握しにくくなりました。

 WCAGでは、この問題点を補うための資料を複数用意しています。しかしJISの場合、規格協会は規格を作るところなので、資料の提供ができません。そこで、情報通信アクセス協議会のウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)という組織を立ち上げました。規格協会とは別の立場で、WCAGの関連文書の和訳や、日本の障害者が使える実装方法などの情報を、事細かに公開しています。

 ただ残念ながら、それでもまだ分かりにくいというのが実情です。アクセシビリティのJISは人間が関わるものですから、ナットの寸法のように厳密には決められないのです。WAICに参加している専門家ですら、本当にこの実装方法でいいのかと悩むことがあります。業界の人間が集まって合意を採って、それでも分からないところは各自が判断するしかないでしょう。


■JISには、A/AA/AAAという3種類の達成等級があります。最もレベルが低いAですら、対応が難しいとの声を聞きます。

 確かに、Aですら満たすのが難しいこともあるでしょう。とはいえ、とにかく一部でも満たすものを作って公開し、対応へのスケジュールも示してほしい。そうやって一歩ずつ階段を上ってほしいと思います。ただ公的なサイトには責任がありますから、最初から少なくともAAを目指すべきではないでしょうか。

 達成度を高めるためには、JIS対応を政府の調達基準にすることも有効な方法でしょう。またWAICでは、達成の度合いを示すマークを作って、サイト制作者のモチベーションを高めることも考えています。

 長期的には教育も重要です。小中学校で、Webが誰でも使えるメディアであると教育するのです。それを学んだ子どもが将来Web制作者になれば、アクセシビリティに配慮したサイトを自然に作ってくれるだろうと期待しています。

日経パソコン

市営と雇用促進住宅の入居者募集 盛岡市、31日から

2011年04月01日 01時41分04秒 | 障害者の自立
 盛岡市は31日から4月11日まで、東日本大震災の被災者を対象に市営住宅5戸、雇用促進住宅15戸の入居者を募集する。

 市営住宅については▽80歳以上の高齢者がいる世帯▽重度障害者のいる世帯-などの基準から優先度の高い順に市が入居者を選考する。両住宅とも入居開始は4月中旬の予定で、最大で2年間入居可能。応募は市役所や同市内の被災者受け入れ施設に備え付けの申請書に必要事項を書き、市営住宅は建築住宅課、雇用促進住宅は企業立地雇用課に提出する。

 問い合わせは同市役所(019・651・4111)へ。

岩手日報

「二代目筆談ホステス」早乙女由香さんの壮絶半生(2)

2011年04月01日 01時34分38秒 | 障害者の自立
筆談ホステスとの出会い

 筆談ホステスと言えば斉藤理恵さん。多くの人が著書を手に取ったが、そのうちの一人に早乙女由香さんもいた。自分と同じように聴覚障害を持つ若い女性が立派に働いている。それに、何かを感じていた。行動しないではいられなくなった。理恵さんのいた「クラブM」の門をたたいた。

 ―自分を変えたいと思ったことはありますか
 自分を変えたいと思ったことはあるような、ないようなという感じです。耳のことで突き当たる壁があっても、もう慣れていましたから。だからと言って、音が聞こえるようになりたいと思ったのは、子供が生まれてからですね。また妊娠をきっかけに、子供の知識をつけたいと思うようになり、(日本女子大学通信課・児童心理学科を)選びました。

 ―斉藤理恵さんの本を読んだそうですが
 それが、きっかけで今は、ここにいます。自分も自立をしようと考えるようになったからです。(理恵さんとは)それほど長くいっしょにはいなかったのですが、(筆談などで)世間話をしたりしました。



筆談ホステスになってみて

 由香さんは現在、週に2、3度は店に出勤する。接客スタイルは正真正銘の筆談。早くも人気者となり、多くのお客さんに愛されている。

 ―筆談での接客はどんな調子ですか
 ボチボチです。言葉にしづらいことが、筆談だと文字で書けるのと絵を描いたりして、想像を膨らませることができますね。

 ―接客で印象に残っているお客さんは
 すごい色々な人が来ます。本物のお金持ちさんとかすごい独特な価値観を持っている方や、ストーカー一歩手前の方まで。でもいい世の中になったと思いますね。わたしが小さい頃は、公共の場で手話を使うと、知らない人に怒鳴り散らされたりしたこともあったりしました。でも、ここにきて、面倒くさいという態度を取る人には会ったことがありません。

 ―働いてみての感想は
 このお店だからかもしれませんが、すごく人情味があふれていて、人を思う気持ちが育った気がします。みんなが指文字をマスターしてくれたりして、親切にしてくれます。あとは、色々な方と会うことができるので、勉強になります。

将来への夢と希望

 由香さんは、母親が育児の協力をしてくれるために、日々、子供の将来のためにも、ということで自立を目指している。何かが変わり始めた人生。思い描く将来像はどのようなものなのか。

 ―将来の目標は何ですか
 子供を幸せにしてやることです。よく笑う子になってほしいですし、笑顔があふれる日々を過ごさせたいです。

 ―どんな男性が好きですか
 子供が好きな方かどうかです。好きな人のことを守ろうとする気持ちを持っている方ですね。(結婚は)子供が、パパが欲しいと言ったら考えます。

 ―女優の話が来たらどうしますか
 高3の時に、「バベル」の監督さん(アレハンドロ・ゴンザレス氏)がろう学校に見学に来ていて、そこで誘われました。仕事が入るのなら、自立のチャンスにもなるしチャレンジはしてみたいですけど、今は考えていないです。

 ―最後に、もしも音が聞こえたら、何を聞きたいか
子供が生まれてからは子供の声が聞いてみたい!と思うようになりました。いっしょに子供の番組を共有できたら、とか、言葉を教えてやれないもどかしさがあります。今は祖父、祖母の助けを借りていますけどね。

 自立に道を歩み始めた早乙女由香さん。「筆談ホステス」はここ銀座の「クラブM」で継承され、そして、きょうも多くの人たちに勇気を与えている。

YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)

「二代目筆談ホステス」早乙女由香さんの壮絶半生(1)

2011年04月01日 01時21分49秒 | 障害者の自立
映画のヒロインにならないか?

 少し足が遠くなっている間に、夜の銀座も随分と様変わりしているように見える。新しいビルは増えたようだが、心なしか道行くホステスさんが少なく、「華」が足りないようにも感じる。景気はまだ暗いのだろうか?

 聴覚障害のあるホステスが青森から上京し、銀座でNo.1に成り上がった半生を描いた物語「筆談ホステス」が発表されたのが、ちょうど昨年の今頃。全国で巻き起こったブームは今でも記憶に新しい。障害があっても立派に働ける、ということを全国の人に印象づけた。そして、その斉藤理恵さんは育児のために一旦は引退…。しかし、もう銀座では新しい物語が始まっていたのだ。

 理恵さんが働いていた銀座の同じ店「クラブM」。その影響を受けて「自分もできるのでは」と、重度の聴覚障害を持っている女性が訪ねてきた。その名を早乙女由香さん(24)。数万人に1人しかいない先天性の重度の聴覚障害を持つ。と同時に、映画「バベル」のヒロイン役に、とアレハンドロ・ゴンザレス監督が出演交渉をしたほどの美貌を併せ持つ。

 女手ひとつで1歳の男児を育てる母であり、日本女子大の通信科で学ぶ学生であり、そして、銀座で働く筆談ホステスと一人三役をこなす由香さん。これまでの壮絶な半生、そしてこれからを、筆談で「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」に語った。

聴力は測定不能

 サッカーW杯南アフリカ大会で知られることになった楽器ブブセラ。音量は130デシベルの騒音レベルと言われているが、早乙女由香さんには、そのレベルの音も聞こえない。音を知らないまま歩んできたここまでの人生。どんなものだったのだろう。

 ―聴覚障害はどの程度でしょうか
 生まれつき、音を知らないので、聞こえないことがもう普通になっていたんですね。一口に聴覚障害と言っても、聴力のレベルの差があって、ほとんどの方は60~100です。でも、わたしはデシベルで表すと130デシベルのスケールアウト(測定不能)だと診断されました。スケールアウトはあまりいないそうです。

 ―ご家族の支えは
(聴覚障害と)診断されてから、この子にはまったく音が入ってこないから、いくら口話を教えても無理だということになって、珍しい指文字、手話教育を行っている東京の足立ろう学校に、わたしを通わせるために、建てたばかりの家を出て上京しました。

 父も仕事をやめて、母も看護婦さんをやめて、兄も急に学校を転校することになりました。わたしは音が聞こえないということがわかってからは、家族のみんながわたし中心に動いてくれました。
出会いと別れ
 音のない世界で暮らしてきた由香さん。しかし、家族は本当に温かく彼女を全面的に支えて育んでくれた。そんな由香さんも、後に家族を持つきっかけとなる出会いを体験する。交通事故に遭いそうになったところを、ある男性に助けられたのだ。こんなドラマにもないような展開が待っていた。

 ―どんな出会いでしたか
 車で(友人たちと)ドライブをしていた時なんですが、急に動かなくなって、事故に遭いそうになっていたところを助けてくれたうちの一人が彼でした。そのあと、メールアドレスを交換して仲良くなっていきました。

 ―そして子供ができましたが、なぜ別れることに
 彼のDVがヒドく、すごい狭い世界に取り残された気がして。彼は幼少時代に自分が虐待されていたのと、持って生まれた性格がそうだったのだと思います。彼のつきあった彼女さんたちはもっとヒドかったみたいで。

 わたしは聞こえないから、会話が指文字で冷静になれていたので、かなり(DVは)緩和されていたみたいです。結局、彼のDVは治らなかったです。籍も入れていませんし、別れました。

 だが、新たな出会いが待っていた。それは自分と同じような境遇にいた「筆談ホステス」だった。




「筆談ホステス」早乙女由香さんがアプリ開発

2011年04月01日 01時12分23秒 | 障害者の自立
 銀座の高級クラブで働く、「筆談ホステス」こと、早乙女由香さん(24)が、iPhoneアプリの開発に協力することが31日わかった。内容は、重度の聴覚障害者でもある由香さんが使う会話手段の一つ「指文字」。「指文字が広がることで、耳が聞こえる人と聞こえない人との距離が少しでも縮まってくれたら」と由香さん。障害を持つ身だが、社会に貢献できることに喜びを感じている。

指文字を拡げたい

 由香さんは、ほぼすべての音を聞くことができない。これは数万人に1人という珍しい重度の先天性の障害を持つ。人との会話では「筆談」「指文字」の2つを使う。それでも、1歳の男児を育てる母親、日本女子大の通信課程で学ぶ大学生、銀座の高級クラブで働くホステスと一人三役をこなすという、社会生活を送っている。

 銀座で働き始めてもう1年以上が経ち、すっかり銀座のホステスの顔となり、常連のお客さんも付いている。メディア出演も多くなり、アイフォーン用の指文字アプリ開発の話が、由香さんのところに舞い込んできたのだ。

 「手話の認識はすごくあるのに、指文字はまったく知られていないので、とてもうれしく思いました。わたし自身が、手話よりも指文字を主に使っているのですが、手話は分厚い辞書1冊でも足りないくらいの言葉がありますが、指文字は50個覚えれば好きなように会話できるのです」

 名詞、動詞など単語単位で表現するのが「手話」。それに比べて、「指文字」は文字単位での形のため、覚える形も少ない上に、細かな日本語表現も可能となる。だが、健常者の間でも手話の方が知名度は高く、指文字はあまり知られていないという現実がある。

 これがもっと広まれば、健常者と障害者の距離も近くなる。由香さんはそう考えた。


早乙女由香さん

 アプリは現在開発中だが、言葉を打ち込めば、由香さんが再現する動画が流れるというもの。アイフォーンの特性を活用し、街中など場所を問わず、動画を再生できるという点で優れている。言うならば、どこでも翻訳機のように使うことが可能ということだ。

 「わたし自身が、手話よりも指文字を主に使っているのですが、手話は分厚い辞書1冊でも足りないくらいの言葉がありますが、指文字は50個覚えれば好きなように会話できるのです。これは指文字入門書というふうな、わかりやすくシンプルなアプリになれば」

 由香さん自身は、アイフォーンは使っていない。また、あまり機械類に明るい方でもない。だが、障害を持つ身として社会に貢献できるということがうれしかった。開発元のモバイルメディア会社メディアワークスの松本光司取締役は「社会的な意義のある事業」と話す。

 「たくさんの方々に見て頂きたいですし、これで、健常者と障害者の距離が少しでも縮まってくれたり、耳が聞こえない人がこのアプリを見て指文字を覚えていただけるとうれしいです」

 母として子供を育て、筆談ホステスとして働き納税し、さらにその次のステップとして、指文字の普及を通して社会貢献する。銀座の門をたたいて1年、わずかの間に、一回り人間として大きく成長しようとしている。

YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア) -