東日本大震災で被災し、各地の避難所で生活している足の不自由な高齢者や障害者らのため、滋賀県産の間伐材で杖をつくる運動を長浜市余呉町の整体師斎藤邦雄さん(68)らが始めた。米原市で里山保全に取り組むNPO法人「やまんばの会」や草津市のガールスカウトのメンバーらも協力し、これまでに約200本を被災地へ送ったという。
斎藤さんは阪神大震災があった1995年1月、神戸市東灘区のマンションで被災した。自宅にある施術所を訪れた客の話からあることに気づいた。「他人に迷惑をかけたくない」という思いからか、高齢者は移動や外出を控え、次第に動かなくなる傾向にあった。
現在、旅行会社と協力し、健康と観光が結びついた「ヘルスツーリズム」の普及に取り組む斎藤さんは今回の地震を目の当たりにして「健康維持のためにも体を動かなさいといけない」という思いを強くした。
がれきで埋まった道も杖があれば心強いだろうと、3月末に知人3人に声をかけて杖づくりを始めた。斎藤さんの自宅を作業場に、木の皮をはいでヤスリをかけ、滑り止めのゴムを付けた後、穴を開けてひもを通した。すべて手作業で出来上がった杖には「私が支えになりますよ」「あなたの一歩が日本の一歩」などとメッセージを書き添え、仙台市の被災者に届けられた。
「共に歩んでいこうという思いがこもっている杖です」と斎藤さん。杖づくりに賛同してくれる仲間を募っている。問い合わせは斎藤さん(090・3708・3777、kunikuni@zc.ztv.ne.jp)へ。
被災者のために手作業で木のつえを作る斎藤さん(左端)ら=長浜市余呉町上丹生
朝日新聞
斎藤さんは阪神大震災があった1995年1月、神戸市東灘区のマンションで被災した。自宅にある施術所を訪れた客の話からあることに気づいた。「他人に迷惑をかけたくない」という思いからか、高齢者は移動や外出を控え、次第に動かなくなる傾向にあった。
現在、旅行会社と協力し、健康と観光が結びついた「ヘルスツーリズム」の普及に取り組む斎藤さんは今回の地震を目の当たりにして「健康維持のためにも体を動かなさいといけない」という思いを強くした。
がれきで埋まった道も杖があれば心強いだろうと、3月末に知人3人に声をかけて杖づくりを始めた。斎藤さんの自宅を作業場に、木の皮をはいでヤスリをかけ、滑り止めのゴムを付けた後、穴を開けてひもを通した。すべて手作業で出来上がった杖には「私が支えになりますよ」「あなたの一歩が日本の一歩」などとメッセージを書き添え、仙台市の被災者に届けられた。
「共に歩んでいこうという思いがこもっている杖です」と斎藤さん。杖づくりに賛同してくれる仲間を募っている。問い合わせは斎藤さん(090・3708・3777、kunikuni@zc.ztv.ne.jp)へ。
被災者のために手作業で木のつえを作る斎藤さん(左端)ら=長浜市余呉町上丹生
朝日新聞