チェンマイ大学卒。1992年にタイ神経学会認定医となる。現在はバンコク病院で、脳・神経疾患の治療を担当している。診察時の使用言語はタイ語、英語。
――脳・神経疾患の代表的なケースをご紹介下さい。
偏頭痛です。偏頭痛は頭痛の一種で、頭の片側に脈打つような強い痛みを感じます。光や音に過敏になったり、吐き気などの症状を伴い、痛みは4時間から72時間持続します。痛みで睡眠不足に陥り日常生活に支障をきたすケースも多く、やがて精神の安定をも脅かす恐れがあるため、検査と治療をお勧めします。
精神的重圧の多い現代社会では、頭痛に悩む人が増えています。しかし疲れのせいだと軽視し、頭痛の原因を探らずに放置してしまいがちです。
――偏頭痛の原因は
不規則でグルタミン酸ナトリウム(うまみ調味料)を多く含む食事、睡眠不足・過多、高温・低温または直射日光などストレスを感じるほどの過酷な環境などです。また、ホルモン変動に反応して脳内の血管が拡張し、偏頭痛を引き起こすこともあります。精神的なストレスも偏頭痛を悪化させます。
偏頭痛の治療は、痛みの軽減と悪化の予防です。薬は痛みが弱い段階で服用し、痛む部分を冷却シートなどで冷やし休息します。食事や睡眠時間、運動不足など日常生活の行動の中に誘発因子があることから、因子を特定し回避することも予防に効果的です。予防薬による治療は、生活習慣の改善で効果がみられない場合に有効です。しかし副作用があり、薬の種類や量、服用する期間は症状によって異なるので、服用の際は必ず医師の指示に従ってください。
頭痛は様々な病気のサインであることも多いため、放置せずに診察や検査を受けることをお勧めします。
――どんな病気のサインと考えられますか。
最も危険なのは、マヒや半身不随を引き起こす脳血管障害です。加齢と共に発症率の上がる病気ですが、予防が可能です。危険因子は糖尿病、高血圧症、高脂血症、喫煙、不整脈、そして高齢です。予防にはコレステロール/塩分摂取量を制限する、野菜・果物を多く摂取する、運動を習慣づける、標準体重を維持する、定期的に健康診断を受けることが効果的です。
――脳血管障害には、頭痛以外の自覚症状はありますか。
片側の腕や足にしびれや無力感、片側の目の視力低下、言語障害、めまいやふらつきで歩行が困難になるなどです。普段から身体の状態に注意を向けることが大切です。健康と思われても、このような異常に気付いたら医師にご相談下さい。
――ご専門には、ほかにどんな病気がありますか。
アルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型は認知症の中で最も多く、脳組織が萎縮し根本的治療法のない病気です。60歳以上の高齢者が発症しやすく、進行すると感情のコントロールが困難になり、言語、記憶、運動などの障害が見られます。治療法はありませんが、家族がこの病気を理解し介護することは可能です。
――どのように進行するのでしょうか。
進行は3期に分けられます。第1期はもの忘れが顕著になり、第2期は記憶力と判断力の低下が進み、簡単な計算や感情の抑制、観念的な行動が難しくなります(観念失行)。第3期に入ると観念失行が進み、日常生活の習慣的な行動が出来なくなります。暴力的になったり、正しい排泄行動ができなくなるケースもあります。危険因子は高齢、遺伝です。
――どのような介護が必要ですか。
患者のケアで何よりも重要なのは、家族の理解です。全ての行動は病気によるものであり、患者の意志ではありません。患者に心理的負担をかけないよう、会話に支障が生じたら話題を変えるなど、常に楽しい気分でいられるよう心がけましょう。家の中を明るい印象に模様替えするのも効果的です。刃物は手の届かない場所にしまい、ガスの元栓はいつも必ず閉めておきます。徘徊行動に対しては、別のことに興味を引くよう誘導しましょう。徘徊や暴力など問題行動が多く介護が困難と感じたら、薬で症状を緩和することは可能です。当センターまでご相談ください。認知症診断も行っています。
――ありがとうございました。
newsclip.be
――脳・神経疾患の代表的なケースをご紹介下さい。
偏頭痛です。偏頭痛は頭痛の一種で、頭の片側に脈打つような強い痛みを感じます。光や音に過敏になったり、吐き気などの症状を伴い、痛みは4時間から72時間持続します。痛みで睡眠不足に陥り日常生活に支障をきたすケースも多く、やがて精神の安定をも脅かす恐れがあるため、検査と治療をお勧めします。
精神的重圧の多い現代社会では、頭痛に悩む人が増えています。しかし疲れのせいだと軽視し、頭痛の原因を探らずに放置してしまいがちです。
――偏頭痛の原因は
不規則でグルタミン酸ナトリウム(うまみ調味料)を多く含む食事、睡眠不足・過多、高温・低温または直射日光などストレスを感じるほどの過酷な環境などです。また、ホルモン変動に反応して脳内の血管が拡張し、偏頭痛を引き起こすこともあります。精神的なストレスも偏頭痛を悪化させます。
偏頭痛の治療は、痛みの軽減と悪化の予防です。薬は痛みが弱い段階で服用し、痛む部分を冷却シートなどで冷やし休息します。食事や睡眠時間、運動不足など日常生活の行動の中に誘発因子があることから、因子を特定し回避することも予防に効果的です。予防薬による治療は、生活習慣の改善で効果がみられない場合に有効です。しかし副作用があり、薬の種類や量、服用する期間は症状によって異なるので、服用の際は必ず医師の指示に従ってください。
頭痛は様々な病気のサインであることも多いため、放置せずに診察や検査を受けることをお勧めします。
――どんな病気のサインと考えられますか。
最も危険なのは、マヒや半身不随を引き起こす脳血管障害です。加齢と共に発症率の上がる病気ですが、予防が可能です。危険因子は糖尿病、高血圧症、高脂血症、喫煙、不整脈、そして高齢です。予防にはコレステロール/塩分摂取量を制限する、野菜・果物を多く摂取する、運動を習慣づける、標準体重を維持する、定期的に健康診断を受けることが効果的です。
――脳血管障害には、頭痛以外の自覚症状はありますか。
片側の腕や足にしびれや無力感、片側の目の視力低下、言語障害、めまいやふらつきで歩行が困難になるなどです。普段から身体の状態に注意を向けることが大切です。健康と思われても、このような異常に気付いたら医師にご相談下さい。
――ご専門には、ほかにどんな病気がありますか。
アルツハイマー型認知症です。アルツハイマー型は認知症の中で最も多く、脳組織が萎縮し根本的治療法のない病気です。60歳以上の高齢者が発症しやすく、進行すると感情のコントロールが困難になり、言語、記憶、運動などの障害が見られます。治療法はありませんが、家族がこの病気を理解し介護することは可能です。
――どのように進行するのでしょうか。
進行は3期に分けられます。第1期はもの忘れが顕著になり、第2期は記憶力と判断力の低下が進み、簡単な計算や感情の抑制、観念的な行動が難しくなります(観念失行)。第3期に入ると観念失行が進み、日常生活の習慣的な行動が出来なくなります。暴力的になったり、正しい排泄行動ができなくなるケースもあります。危険因子は高齢、遺伝です。
――どのような介護が必要ですか。
患者のケアで何よりも重要なのは、家族の理解です。全ての行動は病気によるものであり、患者の意志ではありません。患者に心理的負担をかけないよう、会話に支障が生じたら話題を変えるなど、常に楽しい気分でいられるよう心がけましょう。家の中を明るい印象に模様替えするのも効果的です。刃物は手の届かない場所にしまい、ガスの元栓はいつも必ず閉めておきます。徘徊行動に対しては、別のことに興味を引くよう誘導しましょう。徘徊や暴力など問題行動が多く介護が困難と感じたら、薬で症状を緩和することは可能です。当センターまでご相談ください。認知症診断も行っています。
――ありがとうございました。
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