◇PTSDや熱中症対策課題--県
東日本大震災の発生1週間後から、県は保健師を被災地の岩手県大船渡市へ派遣し続けており、その数は延べ133人に上る。同市では7月までに避難者の多くが仮設住宅などに入居したが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や熱中症防止などが課題になっているという。震災発生から11日で4カ月。県は「市が自立して保健福祉行政を担えるよう支援したい」と話す。
県は震災後、県内の市町村と協力して保健師3~4人を1週間程度で交代する形で派遣。大船渡市の大船渡中学校と大船渡地区公民館で活動を続けている。県によると、4月初めには避難所2カ所で計546人が避難していたが、5月ごろから仮設住宅への入居が始まり、避難者も7月9日に計89人に減った。
6月26日~7月2日に大船渡市に派遣された備前保健所東備支所の保健師、森本健介さん(36)は、心のケアと熱中症対策に追われた。避難所の集団生活から家族だけ、1人だけになることで悲しみが噴き出す人もいる。心のケアは専門の医療チームが担当し、森本さんは仮設住宅を回って声かけなどを続けたという。
6月29日には気温が30度を超える暑さに襲われた。仮設住宅にはエアコンがあるが、「電気代を払えない」とつけられない人もいるという。厳しい日差しの中でがれきの片づけをする人もおり、森本さんは熱中症予防教室を開き、水分補給などを訴えた。
保健師の派遣は8月まで。森本さんが心配するのは、震災で多くの職員を失った大船渡市が自立した保健福祉体制を作れるかどうかだ。「住民の健康を守る仕事をボランティアや支援職員から地元にどう引き継いでいくか。これからが問われている」と話した。
毎日新聞 2011年7月12日 地方版
東日本大震災の発生1週間後から、県は保健師を被災地の岩手県大船渡市へ派遣し続けており、その数は延べ133人に上る。同市では7月までに避難者の多くが仮設住宅などに入居したが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や熱中症防止などが課題になっているという。震災発生から11日で4カ月。県は「市が自立して保健福祉行政を担えるよう支援したい」と話す。
県は震災後、県内の市町村と協力して保健師3~4人を1週間程度で交代する形で派遣。大船渡市の大船渡中学校と大船渡地区公民館で活動を続けている。県によると、4月初めには避難所2カ所で計546人が避難していたが、5月ごろから仮設住宅への入居が始まり、避難者も7月9日に計89人に減った。
6月26日~7月2日に大船渡市に派遣された備前保健所東備支所の保健師、森本健介さん(36)は、心のケアと熱中症対策に追われた。避難所の集団生活から家族だけ、1人だけになることで悲しみが噴き出す人もいる。心のケアは専門の医療チームが担当し、森本さんは仮設住宅を回って声かけなどを続けたという。
6月29日には気温が30度を超える暑さに襲われた。仮設住宅にはエアコンがあるが、「電気代を払えない」とつけられない人もいるという。厳しい日差しの中でがれきの片づけをする人もおり、森本さんは熱中症予防教室を開き、水分補給などを訴えた。
保健師の派遣は8月まで。森本さんが心配するのは、震災で多くの職員を失った大船渡市が自立した保健福祉体制を作れるかどうかだ。「住民の健康を守る仕事をボランティアや支援職員から地元にどう引き継いでいくか。これからが問われている」と話した。
毎日新聞 2011年7月12日 地方版